元安橋
もとやすばし □広島県広島市
鋼鉄で爆風を耐え抜いた、不屈の橋。
広島平和記念公園の東側に架かる元安橋は、安土桃山時代に造られた歴史のある橋であるとともに、原爆の災禍を耐え抜いた不屈の橋でもあります。しかし当然ながら、多くの人が犠牲になった惨状も経験しています。長さは56m、車2車線と歩道程度で大きな橋ではありません。しかし日本百名橋にも選定されており、その歴史的な観点やロケーション、意匠的な部分まで、非常に価値のある名橋と言えます。
絶妙なアーチと、風景に馴染む美しさ。
橋は元安川を跨いでいます。先に元安橋があって、のちに川の名前がついたそうです。原爆ドームのある東岸から橋を眺めます。向こう岸に広がる広島平和記念公園の緑、橋を渡ったところにあるレストハウス、それは元安橋でしか見られない風景です。静かな流れを湛える元安川を、一艘の遊覧船が元安橋の下をくぐって下流へ進んでいきます。とても美しい橋です。絶妙な曲線でアーチを描いており、これ以上調整のしようもないほどバランスの取れた形をしています。実際に橋を渡ってみます。橋詰と橋の中程には装飾のされた柱が美しく、また黒塗りの欄干には「元」という文字がデザインされた鉄柵が使われていて興味をそそります。
優美な姿からは想像もできない、あの日の惨禍。
元安橋が最初に架けられたのは、広島城を築城した毛利輝元によると言われています。その叔父にあたる毛利元康が実際の工事を指揮したそうで、その名にちなんだ命名だったようです。その後何度か架け替えられた後、1920年に鋼鉄の橋として造られました。非常に頑丈だったがゆえに、1945年の原爆投下の際にも崩壊しませんでした。爆心地からは130mほどしか離れていないのに。ただしかし元安橋付近にいた人々は全員即死でした。原爆の巨大な火球に飲み込まれるくらいの近さだったのです。多くの犠牲者が元安橋付近には発生し、また逃げてきた人々も力付きた元安橋周辺は凄惨を極めたといいます。今の静かで優美な姿からは想像もできません。しかしそれが、今から80年近く前に起こった事実なのです。
400年の歴史を持つ、日本百名橋。
現在の橋は1992年に架け替えられたものです。見るからに綺麗な橋として保たれていて、西側には平和記念公園、東側には原爆ドーム、さらに川岸の優雅な時間を楽しめるリバーサイドカフェがあります。もう400年以上、ずっとこの場所で広島という街を見てきた橋です。いい時も悪い時も、ずっと。今は、元安橋の周りにはとても素晴らしい時間が流れていました。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 元安橋 |
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所在地 | 広島県広島市中区大手町1丁目10 |
問い合わせ先 | 082-242-7831 | 市民局国際平和推進部 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/元安橋 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298561-d17809898-Reviews-Motoyasu_Bridge-Hiroshima_Hiroshima_Prefecture_Chugoku.html |
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