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平和大通り 平和大通り

平和大通り

へいわおおどおり □広島県広島市
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平和への祈りを、語り継ぐ大通り。

広島市中心部を東西に貫く平和大通り。1946年に構想が持たれ、約20年かけて1965年に全線開通した道です。その外見的な特徴もさることながら、戦後さまざまな人々の想いや葛藤、希望など被爆都市ヒロシマだったからこそ持つ「平和への祈り」を語り継ぐ、平和の象徴としての意味合いがあります。そんな特別な役割を持つ道を歩いてみました。

平和大通り

緑地帯が主役の、別名「100m道路」。

平和大通りは広島平和記念公園に南側で接する東西の道路で、長さは約4kmあります。広島市中心部が広がる三角州、そこを流れる5本の川をまたいで続いています。まさに広島の街を横断していて、交通量も非常に多い重要な幹線道路です。別名は「100m道路」。その名の通り、道幅が100mある広い道路です。中心に自動車用車線、外側に歩道、緑地帯、側道などがあり、区間によって構成要素は違いますが、合計の幅が100mなのは変わりません。広島の代名詞でもある路面電車は、西端のごく一部の区間しか乗り入れていません。さすがに5本の川を渡る橋部分はそこまでの幅はないですが、いざ平和大通りに立ってみるとその広さはイメージ以上です。そして何より半分公園かと思ってしまうほど、路面が主役ではなく緑地帯が主役の道なのです。

平和大通り

実は戦時から、拡張されていた道。

なぜこんなに広くて、なぜこんなに公園みたいなのか。それはやはり原爆投下を受けたことが発端になっています。実は戦前からこの道の幅を広げ、防火帯として活用する計画があったそうです。実際に部分的には拡張が済んだ地域もあり、終戦直後の空撮を見ると現在の平和大通りにあたる道が一際幅が広いことが分かります。原爆投下後に焼け野原になった街、まだ火災がくすぶる当日などは、幅が広いおかげで道の真ん中までは火の手が来ずに、多くの人が避難路として使ったといいます。戦後もその方針は続けられ、100mの幅が決定されました。でもただただ広い道にするのではなくて、何か意味のある道にしようという計画が考えられました。

平和大通り

森のように豊かな、グリーンベルト。

それが1957年から始められた「供木運動」です。広い幅を生かして、道に草木をたくさん植樹しようという運動でした。今後70年は草木が育たない、とまで言われた広島の街に、全国から世界から、多くの樹木が贈られました。その数は2000本以上と言われ、運動が始まってから60年以上が経つ現在、それはまるで森のように豊かなグリーンベルトに育っているのです。ベンチが多数設置され、また随所に著名な作家がデザインした慰霊碑やモニュメント・石灯籠が配置されています。だから見る角度によっては公園であって、その中を道路が走っているように感じられるのです。

平和大通り

導かれるように、広島平和記念公園へ。

だから歩いていてもとても気持ちの良い道です。時々現れる橋も、その場その場で個性のある風景が楽しめます。そして導かれるように、平和大通りは広島平和記念公園の正面を通ります。平和記念公園を設計した丹下健三氏の指針により、平和大通りから約500m離れた原爆ドームを見られる造りがなされています。だから平和記念公園の接道部分だけは、緑地帯がありません。だから余計に、長い長い平和大通りの中でこの区間はより象徴的に見えて来ます。

平和大通り

深い信念と、崇高な祈りの道。

それでも誰もが歓迎したわけではありません。約16000戸もの家屋が立ち退きを迫られたといいます。平和大通りはさまざまな意見の中でたどり着いたカタチなのです。もちろん今では平和都市広島を象徴するメインストリートとして愛されています。毎年のひろしまフラワーフェスティバルや広島カープの優勝パレードなど、季節のイベントや祝祭に使われて親しまれています。
道幅だけではなく、人々の幅広い思想、また深い信念によって広島という街を貫く平和大通り。日本の道100選という肩書きさえ些細なことに思えてしまう、崇高な祈りの道なのでした。

平和大通り

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 平和大通り
所在地 広島県広島市西区~南区
問い合わせ先 082-504-2243 | 経済観光局 観光政策部
休業日 -
料金 -
駐車場 -
公式サイト -
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/平和大通り
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298561-d8146161-Reviews-Peace_Boulevard-Hiroshima_Hiroshima_Prefecture_Chugoku.html
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