羅生門
らしょうもん □岡山県新見市
その名に違わぬ、異彩放つ自然の岩門。
羅生門と聞けば平安京の朱雀大路にあった正門であり、またそれを題材にした芥川龍之介の小説を想起します。しかし羅生門は、岡山にもあります。しかも国の天然記念物であり、日本の地質100選にも選ばれている貴重なスポット。岡山の山深い場所にある羅生門は、太古の時代の自然によって作り出された天然の巨大な岩の門です。
新見市から南東の山間部へ車で約30分。羅生門へ向かうための駐車場には他に一台も停まっていません。とても静かでひっそりとしていて、聞こえるのは夕方に鳴き出したヒグラシの声と、遠くから聞こえる雷の音だけ。頭上の雲はどんよりと重たそうで、分厚さを物語るように黒みを帯びています。若干不安な気持ちになるような天気の中、羅生門へ向かう散策道を歩き始めました。
鬱蒼と草木が生い茂る道は、闇の森への入口のよう。
その道は左右に鬱蒼と草木が生い茂り、あたりは薄暗く、闇の森への入口のようです。舗装された道から案内板に従って曲がると、そこからは舗装されていない地面の階段を降りていきます。このあたりは全く手入れされていないようで、伸び放題の下草が足に絡まるほど。今日はまだ雨も降っていないのに、地面はぬかるみ、足元が非常に悪い感じです。ずっと下り坂になっていて、しばらく歩き進めると急に開けた場所に出ました。ここも一面に下草が伸び放題で、かなり状態が悪いです。でもその場所が、羅生門です。
想像以上の迫力で聳える、巨大な岩のトンネル。
羅生門は高さ40mほどの巨大な岩のトンネルです。その昔に鍾乳洞だったのが崩落し、一部残った部分がこのように天に架かる橋のようになったのです。アーチの下からは向こうの景色が見えていますが、まだまだ先にも森が続いているようです。まさに門のような形状であり、見上げる岩塊は迫力があります。周辺はカルスト地形として知られており、羅生門も石灰岩の岩塊です。そして今目にしているのは、実は羅生門の「第一門」。この向こうに「第四門」まであってその総称なのです。しかし残念ながらこの時は、第一門の下にフェンスが設置されていて、それ以上先に進むことができませんでした。数年前の水害以降、崩落などの危険性が高まっているからだそうです。後で調べると第二門以降も大変見ごたえがありそうで、第四門は奥行き300mほどの鍾乳洞になっているのだとか。早く再開されることを望みます。
圧倒的な奇岩の風景と、豊かな自然。
帰りにようやく1組の観光客とすれ違いました。いよいよ降り出しそうな空模様、少し心配になりましたが。この時には気付かなかったのですが、羅生門付近は鍾乳洞の影響で低温で多湿な空気環境にあるため夏も涼しく、高山に育つような植物も見ることができるそうです。また入口の駐車場の東側には羅生門桜公園という、まさに桜の園があります。約700本が整然と並び、春には壮観な花模様で魅了してくれます。圧倒的な奇岩の風景と豊かな自然。岡山の山中にひっそりと佇む、とっておきの絶景ポイントです。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 羅生門 |
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所在地 | 岡山県新見市草間 |
問い合わせ先 | 0867-72-6108 | 新見市教育委員会生涯学習課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/羅生門_(鍾乳洞) |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023455-d1384491-Reviews-Rashomon-Niimi_Okayama_Prefecture_Chugoku.html |
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