比叡山延暦寺・横川
ひえいざんえんりゃくじ・よかわ □滋賀県大津市
比叡山の美しき、未来への祈り。
比叡山延暦寺の主要な3つのエリアのうち、西塔から4kmほど離れていて最も北側にあり、最後に開かれたのが横川。「よかわ」と読みます。西暦805年、第3代天台座主・慈覚大師円仁によって開創された区域です。西塔と同じく、深い山の中で静けさに包まれた横川。延暦寺の3つのエリアの役割で、過去現在未来の「未来」の場。東塔の大講堂で教えてもらったことを胸に、横川を散策しました。
中心的存在である、横川中堂。
入口からしばらく下り坂を歩くと、参道が交差する場所に出ます。左手には小さな池があり、その池の上に龍ヶ池弁財天社が鎮座しています。その交差点を右に、石段を上ったところに横川エリアの中心的存在である横川中堂があります。舞台造りであるのが特徴で、巨大な銅板葺き屋根の建物です。目にも鮮やかな朱塗りの建物ですが、実は1971年の再建。旧の横川中堂は1942年に落雷によって消失してしまったのだそうです。本尊は円仁自身の作と伝わり、かろうじて火災を免れた聖観音立像です。根本中堂と同じように内陣は段差があり、人の目と同じ高さに仏様がいるように造られています。ここでも最澄の「仏凡一如」の考えが実践されているのです。
おみくじの発祥地、四季講堂。
先程の交差点を横川中堂の逆に行けば、石段を上ったところにあるのが根本如法塔。石垣の上に建つ多宝塔で、間際まで豊かな木々が迫り、まさに森と一体となった塔です。円仁が法華経を写経し納めた塔が始まりと言われ、その後の時代に書かれた多くの写経が納められているといいます。
交差点を真っ直ぐいけば、四季講堂または元三大師堂と呼ばれる建物にたどり着きます。春夏秋冬それぞれの季節に法華経の論議が行われるので四季講堂という風流な名前が付けられました。実はこの四季講堂が、日本のおみくじの発祥の地とされています。美しく整えられた庭も美しく、見ごたえのある建築でした。
自分の中に刻まれた、確かなもの。
東塔、西塔、横川。それぞれに現在、過去、未来の祈願をし、この日の延暦寺参拝を終えました。東塔で参拝券を購入してから横川を参拝し終えるまでに、4時間かかりました。しかもわりと早めに歩き回ってもです。それだけ長い時間比叡山の中にいれば、なんだか大切な物事が少しでも自分の中に刻まれたような気もします。三塔と呼ばれる3つのエリアで、横川が最も静かな場所でした。そんなことをしみじみと考えながら、夕日が傾きかけた横川をあとにしました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 比叡山延暦寺・横川 |
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所在地 | 滋賀県大津市坂本本町4220 |
問い合わせ先 | 077-578-0001 | 比叡山延暦寺 総務部 |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 共通券 大人¥1,000・中高生¥600・小学生¥300 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.hieizan.or.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/延暦寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298202-d321090-Reviews-Hieizan_Enryaku_ji_Temple-Otsu_Shiga_Prefecture_Kinki.html |
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