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日ノ岡第11号橋 日ノ岡第11号橋

日ノ岡第11号橋

ひのおかだい11ごうばし □京都府京都市
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小さくても、日本最古の誇りを持つ橋。

日ノ岡第11号橋

小さな小さな橋の話になります。琵琶湖疏水のうち、山科の山麓を流れる第1疏水。終端となる蹴上インクラインに繋がる第3トンネルの手前に、日ノ岡第11号橋という橋があります。疏水の流れをまたぐ橋です。幅は1mちょっと、長さはたかだか7.2mしかない極小の橋です。田舎に行けばどこにでもありそうな、用水路を渡る名もなき橋みたいなイメージです。でもこの橋、実は歴史的な価値のある見逃せない橋なのです。

日本初の、鉄筋コンクリートの建造物。

日ノ岡第11号橋

日ノ岡第11号橋がこの地に架けられたのは、琵琶湖疏水の完成から少し遅れて1903年。実はこれが、日本で最初に作られた「鉄筋コンクリートの建造物」なのです。疏水の工事で使われていたトロッコのレールを鉄筋の代用として使い、国産のセメントを使用して建造されたのだそう。その歴史的な意義から、こんなに小さな橋でも国の史跡に指定されています。そしても今でも渡ることができます。
現在は転落防止のための鉄柵がついています。第11号橋には触れずに設置されていますが、橋の下にも柵を支える鉄の橋桁があったので、ひょっとしたら第11号橋を下から補強しているのかもしれません。でもそうしたくなる気持ちがよく分かります。なぜなら鉄筋コンクリートの橋とは言え、第11号橋はどうにも貧弱で。ややアーチしているため橋としての強度は保っているのでしょうが、コンクリート自体の厚みも少なく、両端にはコンクリートを塗り足したような形跡もあるし、ほんとに田舎の用水路にかかる簡素な橋そのものなのです。

記念碑には、本邦最初鉄筋混凝圡橋。

日ノ岡第11号橋

でもせっかくだから、もちろん渡ります。渡った対岸には、ひとつの石碑が立っています。それは日ノ岡第11号橋が日本で最初の鉄筋コンクリート建築であることを記念した碑です。「本邦最初鉄筋混凝圡橋」と書かれています。混凝圡をコンクリートと読むのはさすがに当て字かと思いますが、いずれにせよその証明なのです。その貴重な文化財レベルであるにもかかわらず、それにしても周囲には人の気配というのがありません。近くのベンチで弁当を食べていたのでしばらく滞在していましたが、数組の人を見たものの地元の方の散歩といった風でした。ましてや私のように橋をまじまじと見る人なんて皆無だったのです。確かに4km続く疏水沿いの遊歩道の終点、しかも若干袋小路になった箇所にあるので、見落としがちなのかもしれませんが。。

森林浴のような、琵琶湖疏水散歩。

日ノ岡第11号橋

ちなみに日ノ岡第11号橋から10mほど下流、第3トンネルの入口があります。その上部には『過雨看松色』と書かれた扁額が飾られています。雨の後には鮮やかな松が見られる、という意味だそうです。確かにこの前日は梅雨の到来を思わせる雨が降っていました。ここまで歩いてきた、森林浴のような琵琶湖疏水散歩。まさに扁額が意味するような景色の中を、今日は歩いてこられたのかもしれないと、小さくて静かな橋を見ながら思いました。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 日ノ岡第11号橋
所在地 京都府京都市山科区日ノ岡堤谷町28-1
問い合わせ先 075-672-7810 | 京都市上下水道局 総務部 総務課
休業日 -
料金 -
駐車場 -
公式サイト https://biwakososui.city.kyoto.lg.jp/place/detail/18
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