羅漢寺・五百羅漢
らかんじ・ごひゃくらかん □兵庫県加西市
時を超え人の心を結ぶ、素朴な石仏群。
「親が見たけりゃ北条の西の五百羅漢の堂に御座れ。」苔むして佇む五百羅漢の石仏の中には必ず肉親に似た顔を持つものがある、そんなことを言い表した、羅漢寺に伝わる一節です。童謡「五百羅漢さん」では、今まで見たことがない亡父を探すわらべの気持ちが歌われています。会いたい誰かを求めて。たしかにそう思わせる何かが、この光景には潜んでいます。寂寥感とともに感じられるのは、懐かしく切ない、しかし心を温かくする人間世界の慈しみの感情。忙しく廻る日常で忘れてしまった大切なものを、しみじみと思い出させてくれる不思議な力がここにはあります。
400年もの時を経て、今に佇む459体。
全国各所にある五百羅漢。仏陀に仕えた500人の弟子を表したものと言われています。羅漢寺のそれは全国的にも有名なものであり、多くの参拝者がある名所です。一説によると江戸時代初期のものだそうで、400年もの年月を経て今に佇む石仏群です。全部で459体ありますが、誰が作ったのかも分からず、まさに民間信仰によって大切に受け継がれてきた文化財。単に歴史だけではなく、昔も今も変わらないであろう日本人のこころを感じたいという気持ちを抱いて訪れました。
小さな山門を入り、小さな小屋の受付で拝観料を払い境内に入ります。寺という雰囲気はあまりなくて、示された順路で本堂に参ったあと、五百羅漢の並ぶ一角に足を踏み入れます。それほど広くはない場所ですが、子供の背丈くらいの石仏が整然として立ち並んでいます。なにか特別な雰囲気のある景観。桜やモミジの木が、この景色に季節感を添えています。
どれひとつ同じものはない、個性豊かな表情。
さて、ひとつひとつの石仏を拝観してゆきます。同じ顔はふたつとしてなく、精悍な表情、コミカルな顔、泣いてるような顔、笑っている顔、怒っている顔。どの石仏も精巧に彫像されたものではなくて、素朴でシンプルな造りです。でも逆にそれが何とも表現しがたい風趣を醸していて、唯一無二の雰囲気を作り出しています。見ていると気持ちが落ち着き、あたかも前から知り合いだったような親近感が湧いてきます。400年という年月も、風化しつつある表面や染み付いた苔の渇いた色しっかりと現れています。たぶん、昔の人々も自分と同じような感情で五百羅漢を見ていたのではないか、そう思うと400年の時を超えて繋がれたような気がして感慨深いものがありました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 羅漢寺・五百羅漢 |
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所在地 | 兵庫県加西市北条町北条1293 |
問い合わせ先 | 0790-43-0580 | 羅漢寺 |
休業日 | - |
料金 | 200円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/羅漢寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022832-d6676487-Reviews-Rakanji_Temple-Kasai_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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