一乗寺
いちじょうじ □兵庫県加西市
悠久たる歴史を湛えた、山深き古刹。
播磨地方の深き山中にある、とても荘厳なお寺です。真夏の強い日差しと目に見えそうなくらいの蝉の鳴き声が降り注ぐ正午過ぎ、空の一番高いところから真っ直ぐに降りてくる太陽光は、境内のいたるところに陽だまりを作っています。周囲を深き森に囲まれた一乗寺ですが、1年で一番明るい日、時間だったかもしれません。そしてそこに照らし出されたのは、この場所で1300年以上も渡って刻み込まれた、人々の信仰心でした。
一乗寺は650年の創建と伝わる播磨屈指の古刹。深き森に囲まれた山中の寺。
貴重な仏像や宝物を収蔵する「宝物館」。
境内では長く急な石段を上る。
平安時代の1171年建立、国宝の「三重塔」。
江戸時代初期のものとされる鐘楼。
どれも古色蒼然とした、境内の堂塔。
一乗寺は650年に創建されたといいます。境内に見られる堂塔はいずれも古色蒼然として、悠久たる歴史を湛えた表情。しかも遥かなる時の波が洗った跡なのか、どの建物もいにしえの美しさが保たれています。
入口すぐから始まる石段は、そのまま山を登っているような急な角度。やや息が上がり始めた頃、ひとつめの踊り場にあるのが常行堂と呼ばれる建物。漆黒のどっしりしたお堂で、降り注ぐ太陽とは対照的な色をしています。
境内に見られる堂塔は古色蒼然としていて見ごたえがある。写真は「常行堂」。
境内には30mほどの高低差があり、石段が続く。
常行堂を背に、風情漂う光景。
並び建つ「弁天堂」と「妙見堂」はいずれも国の重文。
三重の屋根はそれぞれ違う大きさに作られている。
中心的な存在は、国宝の三重塔。
そこから見上げるのが、一乗寺の代名詞でもある三重塔。さらに石段を登ったところにあります。この三重塔がとても美しいのです。平安時代の1171年の建立だそうで、国宝に指定されています。三重の屋根がそれぞれ違う大きさに作られており、全体的なシルエットがとても素敵。それはさらに石段を登ってから見下ろす時に顕著で、後ろに広がる播磨の山々を借景に、思わず言葉を失う美しさです。
本堂である金堂もまた、400年ほど前に再建された歴史のある建築。斜面にあるため清水寺と同じような舞台造であり、外側の回廊から望む眺望は素晴らしいの一言。三重塔が手に取るように見え、一乗寺独特の景観を作り出しています。
三重塔は850年以上の時を経てなお美しく、特にそのシルエットは秀逸。屋根の組物も壮大で見ごたえがある。
三重塔の相輪が播磨の山々に映える。
大悲閣または金堂とも称される本堂(重文)。
本堂の柱や壁には無数の墨書が見られる。
本堂の天井には巡礼者が納めた多数の木札が。
いつも妙なる法の花山、そう詠まれた花の名所。
さて、金堂で西国三十三所の御朱印を拝受したあと、すぐそばにある3つの鎮守社、また少し離れたところにある奥之院を見学し、また急な石段を降りて帰路につきます。相変わらず強い日差しと燃えるような緑。もし季節が違ったら、と思いながら。一乗寺のご詠歌は「春は花 夏は橘 秋は菊 いつも妙なる法の花山」。そう、いつの季節もこのお寺には参拝者を魅了する花々があるのでしょう。また季節を変えて、訪れたいものです。
ご詠歌は「春は花 夏は橘 秋は菊 いつも妙なる法の花山」。いつの季節も一乗寺には参拝者を魅了する草木がある。
本尊は観音菩薩立像(重文)で秘仏となっている。
西国三十三所第26番の御朱印。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 一乗寺 |
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所在地 | 兵庫県加西市坂本町821-17 |
問い合わせ先 | 0790-48-2006 | 一乗寺本坊 |
休業日 | 無休 |
料金 | - |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/一乗寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022832-d3864408-Reviews-Hokkesan_Ichijyoji-Kasai_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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