興禅寺
こうぜんじ □兵庫県丹波市





歴史を動かした、春日局生誕の地。
興禅寺は黒井城跡の麓、登山口にあるお寺です。楼門の手前には水濠があり、東西に約80m、その長さから七間堀と呼ばれます。そして水面には立派な石積みが映っています。石積みの高さは高さは約5mほどあり、黒井城と同様に自然石をそのまま積み上げた野面積み。武骨な印象が、戦国時代の石垣を想起させます。そう、興禅寺はかつて戦乱の世に激戦が繰り広げられた黒井城跡の下館だったのです。下館とは、戦時は山上の城に籠るのに対して、平時に城主が過ごす屋敷。丹波の赤鬼と恐れられた赤井直正が落城し、新たに入城した斎藤利三がここを陣屋として居した場所です。

黒井城跡の麓にある興禅寺は、徳川家光の乳母であり江戸城大奥の礎を築いた春日局の出生地として知られる。


興禅寺のシンボル的な赤い楼門。


楼門を境内側から見た光景。


400年を超えるという庭園がある。


現在地には1628年に移転してきたと伝わる。
境内に見られる、「お福」の面影。
実際には下館としての使命を終えた後、その跡地に創建されたのが興禅寺です。くすんだ朱塗りが印象的な楼門をくぐると、美しく整えられた境内が広がります。400年を超えるという庭園があり、風趣を醸し出します。整然とした玉砂利の上に、「お福の腰かけ石」と呼ばれる大きな岩が置かれています。また境内の一番奥には「お福の産湯井戸」と呼ばれる井戸があります。この「お福」とは、のちの徳川家光の乳母であり江戸城大奥の礎を築いた春日局なのです。そういえばこのあたりの地名は春日。春日局はまさにこの地に斎藤利三の娘として生まれたのでした。楼門の左にはそのことを示す碑が建てられています。

興禅寺の本堂は二層目が極端に低く独特の外観をしている。本尊は釈迦如来。


庭園にある白壁の「指月殿」。


後の春日局である「お福」の初湯に使ったという「お福の産湯井戸」。
静かな山里に流れる、静かな時間。
何気なく立ち寄ったお寺だったため、そのような歴史に残る名刹であることに驚きました。でも興禅寺はその史実にふさわしく、こぢんまりとしていますが立派なお寺です。やや陽が傾きかけた境内には、黒井城跡から見たものより少し黄味がかった陽光が差し込んできました。静かな山里に流れる静かな時間。今日一日の余韻をかみしめて、興禅寺を後にしました。

少し黄味がかった陽光が差し込んでいた興禅寺の境内。静かな山里に流れる、静かな時間だった。


昭和10年に寄進されたという指月殿。


楼門からは里山の風景が見えた。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 興禅寺 |
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所在地 | 兵庫県丹波市春日町黒井2263 |
問い合わせ先 | 0795-74-0019 | 大梅山興禅寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/興禅寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022835-d8150693-Reviews-Kozenji_Temple-Tamba_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202009 |
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