KASUYA藤井寺本店・かすうどん

古くて新しい名物、かすうどんの先駆者。

大阪のご当地麺として近年メキメキと人気が出てきているのが、かすうどん。特にここ10年ほどでしょうか、一気にあちこちに店を見るようになりましたし、テレビなどでの露出も増えているように感じます。今回ご紹介するのは、そんなかすうどんの有名店。今では多くのエリアに出店し、人気があるKASUYA。藤井寺市にあるという、その本店を訪れました。

本店なのに、掘っ建て小屋のようなお店。

まず店について驚いたのは、とにかく小さな小さな店舗。本店というからには、たとえ創業時は小さくても、今のように繁盛したなら大きな店に変わるのかと思いますが、なかなかどうして小さいままなのです。まるで掘っ建て小屋のようなこじんまり加減。駐車場に囲まれてポツンと建っているので余計に小さく見えてしまいます。店内ももちろん狭くて、テーブルが3卓ほどと、あとは7人くらいが掛けられるカウンターのみです。

見事なまでに、奥が深い味。

メニューは意外にたくさんありますが、最もスタンダードなかすうどんを注文します。さてそもそも「かす」とは何なのか。何も知らなければ、天かすのように思ってしまうかもしれませんが違います。「油かす」なのですが、それはホルモン（腸）から食用の油を取り出した後の、まさに油のカスなのです。でも逆に余分な油分が取り除かれた腸は、旨味がギュッと凝縮された状態でもあるのです。これがうどんの出汁に入ると、ダシの旨味が油かすの中へ、逆に油かすの旨味がダシへと溶け出し、見事なまでに奥が深い味に昇華されるわけです。油かすの食感も大きさや部位によってカリカリ、コリコリ、フワフワとバリエーションが楽しめて美味。KASUYAは、そんなかすうどんの超人気店です。

噛めば噛むほど、旨味が滲み出す油かす。

コシの強めな麺は、旨味とコクが融合したダシを絡め取って絶品。油かすも一緒に噛み締めると、より一層に肉の旨味が弾けてたまりません。下調べした結果、白ご飯も注文。噛めば噛むほど旨味が滲み出てくる油かすとの相性が抜群。徐々にコクが増してくるダシも、最後まで飲み干したい旨さ。中毒になりそうな味です。
かすうどんは南河内の郷土料理とも言われますが、これからますます世に知られていきそうな気がします。KASUYAはその中でも先駆者。うどんだけでなく、そばや中華麺のメニューもあったり。その発祥の地、藤井寺本店はなんと朝5時まで営業しているそう。とにもかくにも、これからも注目のお店です。

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