七種の滝
なぐさのたき □兵庫県神崎郡福崎町
神宿る滝を、鮮やかな静寂が包む。
気がつくと街路樹が一斉に緑葉を纏い、その中で遊ぶ小鳥たちの声も朗らかな春。ふと時間の空いた午後に思い立って訪れた七種の滝。滝が漂わせる独特なマイナスイオンを求めて、サンルーフを開けた車で向かいました。本当の春か、ややもすれば初夏の気配さえ感じられる風が車内を吹き抜ける爽快なドライブ。ダッシュボードに跳ねる陽光はラジオから流れる音楽に合わせ軽快にリズムを刻み、2時間の道程もあっという間にたどり着きます。
福崎の市街地から小さな川に沿って伸びる道を走ると、道はやがて車一台がようやく通れるくらいの細い一本道になり、その終着地に七種の滝への入口があります。小さな駐車場があり、車を降りて徒歩で向かいます。
七種の滝は標高683mの七種山中腹にある48の滝の総称。深閑な山中に位置する。
駐車場手前にある、静かな「田口奥池」。
変わった場所で水鳥が休んでいた。
森の入口の静寂さに、相応しく溶け込む山門。
すぐそこにあるのは、退廃的な雰囲気が印象的な、朽ち果てた山門。かろうじて山門の体裁はあるものの、そこにいるはずの仁王像もなく、空き家のようにがらんとした空虚なヴェールを纏っています。まさにいつしか時間が止まってしまった雰囲気。ただそれがこの森の入口の静寂さに相応しく溶け込んでいて、またこんな雰囲気が個人的に好きなこともあり、否応なしに静かな期待が高まります。
駐車場の目の前にある「作門寺旧山門」。かつて七種山の山中にあった作門寺は、明治初頭に麓へ移り「金剛城寺」と称した。
寺があったことを窺わせる石垣。
太鼓橋と石の鳥居。やがて七種神社へ続く。
常にせせらぎが寄り添い、澄んだ空気を漂わす。
山門を不思議な気分でくぐり、しばらく杉木立の小径を歩けば、やがて小さな石造りの鳥居と小さな太鼓橋が現れます。そう、ここは神社の境内なのです。推古天皇の時代に創建されたと伝わる七種神社。滝へと登る急峻な坂道は、神聖なる参道でもあるわけです。
鳥居をくぐると、もうそこにはひとつめの滝が現れます。高さは2mほどしかない小さな滝ですが、苔蒸した岩肌を撫でるように流れる様子に風流があります。ここから先、登山道を歩くような坂道が続きますが、常にせせらぎが寄り添い、澄んだ空気を漂わせています。随所に滝が現れ、急坂に息が切れそうな時にも足を止め癒してくれます。
道中は小さなものも含めて多くの滝が見られる。この日はやや水量が少ない様子。
推古天皇の時代に創建されたと伝わる七種神社。
祠が木漏れ日に照らされていた。
高さは約72mの、数段に分かれて落ちる滝。
目指す七種の滝は、鳥居から15分ほど歩いたところにあります。あいにく雨の少ない期間で水量の乏しさは否めませんでしたが、下から見上げた時の巨大な岩壁は圧巻でした。高さは約72mもあり、数段に分かれて落ちる滝です。すぐ横には風情を感じる石垣があり、その上にあるのが七種神社の本殿。そこから滝を望めるようになっており、ぜひ何としても次は豊富な水量を湛える時期に訪れたいと思いました。
また素晴らしいのが、本殿から眺める、滝とは反対側の風景。折り重なる播磨の山々が眼前に迫り、青空との境までが山しかない光景、見渡す開放感。実は本殿の脇から標高683mの山頂まで登る登山道があるのですが、この場所でも十分に山々の見晴らしを楽しめました。
七種の滝(雄滝)は高さは約72mもある滝。季節的に水量が乏しい分、荒々しい岩肌が印象的だった。
垂直にそそり立つ迫力の岩壁。
うねりながら数段に分かれて流れ落ちる。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 七種の滝 |
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所在地 | 兵庫県神崎郡福崎町田口 |
問い合わせ先 | 0790-22-0560 | 福崎町産業課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/七種の滝 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121304-d5484644-Reviews-Nagusa_Fall-Fukusaki_cho_Kanzaki_gun_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201307 |
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