三津森本舗・炭酸せんべい

有馬温泉を代表する、昔ながらのお菓子。

ほのかに甘く、懐かしい味。子供の頃、無性に好きだった、パリっとした食感、そして周囲に残ったすごく薄い「バリ」をかじること。炭酸せんべいって、古き良き時代の、古き良きおやつでした。今のようにクリックひとつで地方のお土産が食べられる時代ではないし、誰か身の回りの人が有馬温泉に行かなければ食べられなかったから、たまに食べることが出来る、まさに子供にとっての贅沢品でした。
そんな有馬温泉の炭酸せんべい発祥の店が、湯本坂に明治時代から創業を続ける三津森本舗です。今では温泉街だけでも7店舗を構え、炭酸せんべいだけでない様々な菓子類を販売する人気店ですが、明治40年からこの地で愛されている老舗菓舗なのです。

有馬温泉のお土産としても定番の「炭酸せんべい」。その発祥の店が、湯本坂に明治時代から創業を続ける三津森本舗。

温泉街に7店舗を展開している。

右から書かれた「有馬名産炭酸煎餅」の看板。

鉄の型に流したタネは、瞬く間に焼きあがる。

炭酸せんべいとは、小麦粉や片栗粉をベースに、砂糖や塩で味付けし、この地に湧く炭酸泉を加えます。鉄の型に流したタネは瞬く間に焼きあがり、何枚かがくっついた状態の煎餅を、手作業で丸い1枚1枚に分解していきます。まるでプラモデルの部品を外していくように、次から次へと手早く作業されます。

三津森本舗では炭酸せんべいの製造工程を見学することもできる。一枚一枚、丁寧に作られている。

その場で新鮮な、焼きたて炭酸せんべいを試食。

実は三津森本舗では作業場が店先に作られていて、店内からも、湯本坂の道からも窓越しにその様子が見られるようになっています。ジーっとその様子を観察していると、おもむろに窓が開き、中から焼きたての炭酸せんべいを振る舞ってくれるのです。なんとも粋な計らい。その場で新鮮な焼きたて炭酸せんべいを試食できます。
パリっとした食感はまさに炭酸泉の水が為す業。3回目くらいの咀嚼から、じんわりと滲み出て口の中に広がる甘み。それは子供の頃の淡い思い出と何一つ変わらない、懐かしい味でした。

観察していると、おもむろに窓が開き、中から焼きたての炭酸せんべいを振る舞ってくれるた。

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