宇治平等院
うじびょうどういん □京都府宇治市
圧巻のスケールで、時間と空間を支配する。
10円玉にも1万円札にも。2種類もの貨幣に登場するほど、その美しき有様が魅力の平等院鳳凰堂。平安時代の贅を極めた壮麗な姿は、今の時代でも褪せることはありません。日本人が求める美の極致、宇治平等院は時を超えてそれを目の当たりにできる場所。
前日の大雨で宇治川が轟音を立てて流れていましたが、平等院に一足踏み入れるともうそこは静かな別世界。もうすぐ創建1000年を迎えようとしている平等院は、今も変わらずに見る者を魅了し続けています。
1052年に時の関白藤原頼通によって建てられた、平安時代の贅を極めた壮麗な建築。日本人が求める美の極致。
朱塗りも鮮やかな、平等院の正門。
境内には美しい松林が広がる。
表されたのは、西方極楽浄土への願望。
平等院鳳凰堂は平安時代の後期、1052年に時の関白藤原頼通によって建てられました。当時の貴族の間には、苦しみに満ちた現世ではなく、阿弥陀如来が導いてくれる極楽浄土への信奉が盛んでした。現世よりも来世で、永遠の安らぎを得たいとする願望が人々の間に強まっていたのです。その願望を、当時最も力のある藤原氏が最大限に表現したもの、それが平等院鳳凰堂なのです。
境内は想像以上に広いです。そして庭園として非常に丁寧に造られていて、門から一歩入るだけでその世界に気持ちが浸ってしまいます。
平等院鳳凰堂は、阿弥陀如来が導いてくれる西方極楽浄土への信仰が見事に表現された傑作。
鳳凰堂は「阿字池」という池に囲まれている。
参道に迫り出しいた老松の大きな根。
横に大きく翼を広げた、鳳凰のように。
そして池に浮かぶ小さな島に建てられた鳳凰堂は、豪華絢爛そのもの。元々は阿弥陀如来像を納めることから阿弥陀堂と呼ばれていました。でも建物を正面から見ると、横に大きく翼を広げた鳳凰が飛び立つ姿のようであることから、江戸時代からは鳳凰堂と呼ばれるようになりました。屋根の上にも一対の鳳凰像が据えられています。
鳳凰堂は池の西側に建てられています。正面から見て、池を隔ててその西側に極楽浄土があることを示しているそうです。そして池にその全容が映り込む様子は素晴らしく、趣きがあります。
photo_by_coniferconifer_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com
その建物の形から、江戸時代に「鳳凰堂」と呼ばれるようになった。屋根の上にも一対の鳳凰像が据えられている。
圧倒的な存在感を放つ、国宝の数々。
さて、宇治平等院が歴史的にも大変貴重なのは、その他にも驚くほど多くの宝物がある故です。しかも非常に程度よく保存されており、数多くの国宝に出会うことが出来ます。もちろん鳳凰堂は国宝。建物だけでなくその内装も壮麗で、国宝とされています。また金色に輝く本尊の阿弥陀如来像と、それを取り巻くように内壁の四方に設えられた雲中供養菩薩像52体、屋根の一対の鳳凰像も国宝とされています。12世紀のものとされる高さ2mの梵鐘も国宝で、それらは併設された平等院ミュージアム鳳翔館で展示されています(雲中供養菩薩像は26体)。
そのミュージアムも含めて、宇治平等院の圧倒的なスケールは、時間的にも空間的にも、そして建築、仏像、絵画、庭園などあらゆる点で目を見張るものがあります。「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されていますが、そんな肩書きさえ霞むくらい、実際に目にすると伝わる衝撃が強いのです。京都市内からは少し離れていますが、市内に数ある名刹を凌いで、わざわざ一足のばすべき名所だと思います。
鳳凰堂は国宝。しかしながら平等院には他にも数多くの国宝を有していて、鳳凰堂内と併設のミュージアムで見られる。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 宇治平等院 |
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所在地 | 京都府宇治市宇治蓮華116 |
問い合わせ先 | 0774-21-2861 | 平等院 |
休業日 | 無休 |
料金 | 大人600円、中高生400円、小学生300円 |
駐車場 | なし |
公式サイト | https://www.byodoin.or.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/宇治平等院 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g946495-d592034-Reviews-Byodoin_Temple-Uji_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201609 |
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