大原美術館
おおはらびじゅつかん □岡山県倉敷市
エル・グレコの『受胎告知』を見られる奇跡。
倉敷美観地区。たくさんの観光客で賑わう有名な観光地です。柳が揺れる倉敷川を中心に、大原邸や倉敷民藝館などの伝統建築が建ち並び、様々な趣向の店が訪れる者を魅了します。
その美観地区の中で、最も存在感を放ち、街の真ん中で悠々と佇んでいるのが大原美術館です。比較的小さなゲートをくぐれば、イオニア式の立派な柱が目を惹く本館。すぐ左側には石匠・和泉正敏氏が手がけた庵治石の壁が存在感を示しています。
大原美術館は1930年に、この地の実業家・大原氏が設立しました。日本で初めての西洋美術館でした。大原氏は洋画家であった児島虎次郎という人物を重用し、ヨーロッパでの美術品収集を依頼していました。延べ約8年に渡る滞在中、児島氏が買い集めた作品を、自分の地元である倉敷に美術館を設立して公開したのです。
倉敷美観地区の中で最も存在感を放ち、街の真ん中で悠々と佇んでいるのが大原美術館。
1930年にこの地の実業家・大原氏が設立した。
夕方になると美しくライトアップされる。
古い建物が持つ、独特の優しさ。
特筆すべきは、児島氏が集めた数々の作品が、当時にしてはかなり先進的なコレクションだったことです。それはもちろん現代の評価と比較してのことですが、特にエル・グレコの『受胎告知』がこの美術館にあること、ひいてはこの作品が日本にあることは奇跡だとも言われているのです。
さて本館に足を踏み入れると、古い建物が持つ独特の優しさを纏った雰囲気に、まず気持ちが落ち着きます。格式張っていない、柔らかな空気が、ここには流れているのです。だから作品の鑑賞にも、肩肘張った硬い感じにはなりません。どこか自分らしい気持ちのままで、すーっと作品と向き合えるのです。
建物自体も非常に見ごたえがある。写真は自然石を用いた壮大な石壁。
ワクワクするくらい充実した、印象派画家の作品。
展示室は幾つかあり、エル・グレコの『受胎告知』だけは単独の部屋に展示されています。驚いたことに、ガラスケースにあるでもなく、手を伸ばせば絵の具に触れられそうな距離に展示されています。このような作品に、こんなに近く相対して向かうことができるのも、きっと大原美術館のポリシーなのではないかと感じられました。
他にもルノワール、モネ、ゴーギャン、セザンヌといった印象派画家の作品や、前田寛治、棟方志功、横尾忠則といった国内の画家の作品、あるいは別館ではロダンなどの彫刻作品もあり、半日くらいはたっぷり美術鑑賞できるボリュームと内容があります。
とにかく素晴らしいコレクションには感動するばかり。美観地区の観光とは別に、たっぷりの時間をとって訪れることをオススメします。
様々な美術品を収蔵するが、最大の見どころは特別室に展示されているエル・グレコの『受胎告知』だろう。
本館の他に別館、工芸館・東洋館などがある。
敷地内の庭園には絵に描いたような錦鯉が泳いでいた。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 大原美術館 |
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所在地 | 岡山県倉敷市中央1丁目1−15 |
問い合わせ先 | 086-422-0005 | 大原美術館 |
休業日 | 月曜日、12月28日~31日 |
料金 | 一般:1300円、大学生:800円、高校・中学・小学生、500円 |
駐車場 | なし |
公式サイト | http://www.ohara.or.jp/201001/jp/index.html |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/大原美術館 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298133-d323979-Reviews-Ohara_Museum_of_Art-Kurashiki_Okayama_Prefecture_Chugoku.html |
LAST VISIT | 201711 |
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