江島大橋

急勾配の坂道が印象的な橋、通称「ベタ踏み坂」。

少し前にダイハツの軽自動車のCMで話題となった、通称「ベタ踏み坂」。CMの構成では、アクセル全開にしなくてもこんな凄い坂でも楽勝の馬力！という設定なのですが、そこに映る急勾配の坂道があまりに印象的だったのか、アクセルをベタ踏みしないと登れない坂道として人々の記憶には残ってしまったようです。CM制作時にも、数ある候補地の中から、そのインパクトによってロケ地として即決されたのだそう。

冷静になれば、やはり景色がとても美しい。

その坂道は江島大橋という大きな橋です。中海に浮かぶ小さな島・江島とゲゲゲの鬼太郎で有名な境港を結び、島根と鳥取の県境にあたります。長さは約1.7kmあり、それだけでもまあまあ巨大な橋なのですが、特筆すべきは橋桁の高さ。最頂部で44mもあり、それが故の「ベタ踏み坂」と呼ばれる急勾配なのです。橋の下を大きな船が通るためなんですが、それにしても周辺ののどかで開放的な風景の中に、かなりの異彩とインパクトを放つ橋なのです。見るアングルによってはまるで遊園地のジェットコースターのよう。
初めに境港側から江島方面へ渡ったのですが、江島側の方が急勾配なので、登り終えて下りが始まる時のインパクトは相当なものでした。普通の道ならあり得る勾配なのかもしれませんが、これが橋となれば本当に普段はなかなか味わえない光景。興奮するのですが、冷静になればやはり景色がとても美しいです。

平衡感覚が惑わされる、橋の上に立てば。

下っている途中に、予想外にも待避所があったので、橋を渡り終えたらＵターンして再び江島大橋を走ります。当時の愛車、チェロキーの大きなエンジンが唸りを上げて、その先の見えない坂道を登ってゆきます。運良く待避所が空いていたので、本当はあまり好ましくないことなのでしょうが、車を停めて景色を眺めました。眼下に広がる湖や街の風景が美しいのはもちろんのこと、面白かったのは、パノラマで広がる景色に比べて今立っている地面が斜めであること。景色以外、道も停めた車も手摺も、自分の平衡感覚に対してナナメになっているのです。これはそこに立ってみないと分からない、ちょっと不思議な感覚でした。
ちなみに江島大橋には歩道も併設されていて、徒歩でも渡れるようになっています。CMの放映以降、じわじわと人気を上げて観光名所になりつつあるそうで、徒歩で渡るツワモノも含めて、ちょっとした賑わいを見せています。

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