純喫茶三輪
じゅんきっさみわ □大阪府大阪市
NEWS! | 三輪は惜しまれつつも2017年に閉店しました。よく利用していたから、残念です。 |
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どこまでも純喫茶、貫いた昭和の感性。
純喫茶とは、酒類を出さない喫茶店のことを言うそうです。明治から大正にかけて隆盛したカフェー文化が、昭和に入ってアルコール類や女給による接客などを取り入れて多様化した時に生まれた言葉。純粋にコーヒーを飲むという意味では、さらに飲食店が多様化してしまった現代では、それは今の喫茶店と同義であるのかもしれません。
でもなんとなく、純喫茶とは本物をイメージさせる言葉です。そして初めて聞いたとしても、それは昭和のセンスを纏った昔懐かしいもののイメージを抱かせる、どこか不思議な響きがあります。
大阪船場に、純喫茶の名店があります。純喫茶・三輪。何も飾らない、シンプルで堂々たるネーミング。昭和センス好きの僕にしてみれば、この店名だけでもグッと攻められてくる期待感があります。そして三輪は、その期待をまったく裏切らない、高次元の答えを返してくれるのです。
船場センタービルの地下にあった名店。2017年に惜しくも閉店してしまった。
地下飲食街の一番奥に店があった。
すべてが昭和時代のままの内装。
時間を40年くらい巻き戻したような、独特の世界。
店があるのは船場センタービルの地下飲食街。お昼時は付近の高年齢サラリーマンのランチで賑わいを見せるものの、基本的にはうらぶれた空気が流れる昔ながらの地下街です。その一角に、かなりの面積を占める喫茶店が三輪。そして少し控えめな小さなガラスの自動ドアの向こうには、まるで時間を40年くらい巻き戻したような、独特の世界が広がっているのです。
もしこれが本当に40年前のことなら、さぞかしゴージャスで煌びやかな喫茶店だったに違いありません。広いフロアにはワインレッドの絨毯が敷き詰められ、鮮やかなベルベットの椅子。妖艶ささえ見せるビロードのソファ席があり、調度品にも多くゴールドがあしらわれています。緩やかなジャズが流れ、カップがソーサーに置かれる時の、あのカチャッという音の脇役をつとめます。まさに昭和ゴージャス。そして時間はあの時、止まったままになっているかのよう。それが妙に落ち着くのです。
妖艶ささえ見せるビロードのソファ席。ゴールドの調度品や緩やかなジャズが流れる、昭和のゴージャス感。
テーブルに置かれたコーヒーも美しい。
小さな入口の奥には広い店内がある。
ここにきて、恐るべき昭和ゴージャス。
それからもう一つ、大きな特徴。それは、ウェイトレスの方々が皆、かなりのお年を召してらっしゃること。そして彼女たちのユニホームがまた、超エレガントなのです。真っ赤なロングのワンピースに、黒のベルト。スカート部分は細いプリーツになっていて、ひらひらと赤い羽衣のように優雅に揺れるのです。店内だけでなく、ここにきて恐るべき昭和ゴージャス。見え方によっては70歳くらいに見えるウェイトレスの方でも堂々たる着こなしに、拍手。
勤務先からそう遠くないこともあり、以来ちょくちょく足を運ぶようになりました。昼間の客層はサラリーマン半分、買い物中の大阪のおっちゃんおばちゃんが半分といった感じ。これは客層にも「純」が付くくらい、いつも同じ光景です。逆にいえばその層にはピッタリとはまる三輪の魅力があるということ。僕はサラリーマンですが、やがて年老いておっちゃんになっても、同じように時々三輪に顔を出すんだろうと思います。
うっとりするような内装の昭和テイスト。もう見れなくなってしまったのが惜しい。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 純喫茶三輪 |
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所在地 | 大阪府大阪市中央区船場中央3-3-9 |
問い合わせ先 | 06-6251-6777 | 純喫茶・三輪 |
休業日 | 無休 |
料金 | - |
駐車場 | なし |
公式サイト | - |
wikipedia | - |
食べログ | http://tabelog.com/osaka/A2701/A270106/27039571/ |
トリップアドバイザー | - |
LAST VISIT | 201501 |
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