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矢田坐久志玉比古神社 矢田坐久志玉比古神社

矢田坐久志玉比古神社

やたにいますくしたまひこじんじゃ □奈良県大和郡山市
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オススメ度

楼門に架かるのは、旧日本軍の戦闘機プロペラ。

矢田坐久志玉比古神社

やたにいますくしたまひこじんじゃ。早口言葉みたいに長くて読みにくい名前。知らなかったら、読めと言われてもまず正しく読めません。奈良県大和郡山市にある、小さな神社です。
一般的に観光としてこの神社を訪れる人は、そう多くはありません。どの地域にもある、地元の人間がたまに参詣するような、こぢんまりと町の風景に溶け込んだ風の神社です。だから個人的にも、もしあの子供時代の経験がなければ、わざわざ矢田坐久志玉比古神社を訪れることは一度もなかったかもしれません。

薄暗い部屋で、慇懃に語られる神の話。

矢田坐久志玉比古神社

初めてこの神社を訪ねたのは、10歳の頃でした。父親の仕事の都合でこの神社の宮司を取材することがあり、どういう理由でかは忘れましたが、一緒に付いていったのです。大人の仕事を直に見るということ、それから普段は見ることのない神社の内側を見るということ、宮司という子供からするとあまりにもかけ離れた存在から発せられる言葉。そんな色々なことが新鮮であり、また詳しくは覚えてないんですが、何かある種のショックのようなものを感じた同行でした。薄暗い部屋で慇懃に語られる神の話、想像を超えたところにある目には見えない歴史の話が子供の僕を落ち着かなくさせ、ふと振り返ると神の世界から誰かが手を伸ばしてきそうな不安感があったことを記憶しています。

楼門にある戦闘機のプロペラ、航空の神様。

矢田坐久志玉比古神社

その時語られた話の中で印象に残っているのは、楼門にあるプロペラの話でした。ある古文書に航空祖神として記述があることから、矢田坐久志玉比古神社は航空の神様として崇められているそうです。楼門には大きな木製のプロペラが吊り下げられていて異彩を放っています。このプロペラは九一式戦闘機といって、昭和初期に日本軍の主力戦闘機だった機体のプロペラだそうです。神社の楼門にプロペラとは、かなり珍しい組み合わせ。地元では飛行機神社と呼ばれているそうです。宮司からの話の、大部分がプロペラにまつわる話だったと記憶しています。
あれからもう30年近くも経ちましたが、再び訪ねた矢田坐久志玉比古神社にもプロペラは昨日のことのように同じ場所に掲げられていました。同時に当時のドキドキした体験がフラッシュバックのように思い出され、またそれが父親との大切な思い出のひとつであることを思い知らされます。

室町からの時が彫り込んだ、古びた社殿。

矢田坐久志玉比古神社

境内を歩いてみると、目線も気持ちも変わっている今、見えてくるものも違います。丘陵地帯の緑に囲まれた静かな境内、室町からの時が彫り込んだ古びた社殿、平和で穏やかでしっとりとした雰囲気に満ち溢れた境内です。思い出だけではなく、日々時間を忘れて暮らしていることにふと気づかされるような、絶対的な別時間がここには流れています。一歩一歩をゆっくり踏みしめながら、心ゆくまでその落ち着きを身体に染み込ませてゆきます。かなり個人的な感想ですが、再訪したことで自分の中の何かが呼び起こされた、それは今の自分にとってとても必要とされていた、そんな気分になったことが深く印象的な訪問でした。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 矢田坐久志玉比古神社
所在地 奈良県大和郡山市矢田町965
問い合わせ先 0743-52-7313 | 矢田坐久志玉比古神社
休業日 -
料金 -
駐車場 無料駐車場
公式サイト -
wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/矢田坐久志玉比古神社
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022856-d8150627-Reviews-Yatani_Masukushi_Tamahiko_Shrine-Yamatokoriyama_Nara_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT 201906                         

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