法華寺
ほっけじ □奈良県奈良市
陶酔境へ誘う、美学に満ちた古刹。
奈良市街地にある古刹、法華寺。745年に創建され、奈良時代には東大寺が総国分寺とされたのに対して、法華寺が総国分尼寺とされ、権勢を誇った名刹です。
このお寺の一番の見どころは、何といっても本尊十一面観音菩薩立像。ちょっとでも歴史に興味を持ったなら、その誰もが一度は写真などで目にしたことがあるのではないでしょうか。平安時代の作とされる本尊は年に何度かある特別公開でしか見ることができないので、たくさんの人出で賑わうその日に訪れました。
photo_by_hiro_CC_BY-SA_3.0_from_Wikimedia_Commons
法華寺は745年創建の名刹。静かで優雅な立ち姿で知られる国宝の「十一面観音菩薩立像」が本尊。
濡れそぼつ堂宇もまた風情、古い時代の匂いがした。
十一面観音菩薩立像は高さは1mほどの小振りな背丈ですが、美しい曲線美に加えて静かで優雅な躍動感があり、そのオーラはやはり人を惹きつけるものがあります。そしてその背後に広がる、蓮の花と蕾を表したという光背がとても印象的で、華やかな雰囲気を演出しています。なかなか他では見ることのできない独特の存在感があって、わざわざ遠方からでも見に訪れる価値が十分にあります。
境内は整然としていて、脈々と受け継がれてきた名刹の系譜と、ここで紡がれた久遠の記憶に満たされています。春雨が通り過ぎたあとでしたが、濡れそぼつ堂宇もまた風情があります。その境内の中心にあるのが、堂々たる風格を放つ本堂。正面から見て幅広な印象で、ボリューム感のある瓦葺屋根が重厚感を漂わせます。月日を刻み季節を重ねた柱や床や軒裏からは、雨がもたらした湿気のためか、古い時代の匂いがしました。
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1602年に豊臣秀頼と淀君により再建された二階建ての「鐘楼堂」。国の重要文化財に指定されている。
境内に流れる、完璧なまでの法華寺的美学。
また法華寺には数々の堂宇や名勝の庭園もあり、どれもよく管理され美しい情景を見せてくれます。さらに境内のいたる所に季節の花々が育てられていて、四季それぞれの風に遊ぶ草花を楽しむことができます。
ひと言で表すなら、本当に美しいお寺です。境内に流れる完璧なまでの法華寺的美学に触れていると、ふと陶酔境に陥ってしまうようにうっとりとその世界に浸ってしまいます。質実な美の空間を眺めては無軌道な思いを巡らせながら、ようやく広がった春らしい浅葱色の空からは、口笛を吹けば音符になって見えそうな常春の陽気が舞い降りてきました。
境内には数々の堂宇や名勝の庭園もあり、どれもよく管理され美しい情景を見せてくれる。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 法華寺 |
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所在地 | 奈良県奈良市法華寺町882 |
問い合わせ先 | 0742-33-2261 | 法華寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | 拝観料 大人500円、中学生300円、小学生200円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://hokkejimonzeki.or.jp/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/法華寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298198-d3247505-Reviews-Hokkeji_Temple-Nara_Nara_Prefecture_Kinki.html |
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