奈良町天神社
ならまちてんじんしゃ □奈良県奈良市
誰もが体験した、神社という子供の城。
記憶のない小さな頃から、親に連れられてよく遊びに行っていた奈良町天神社。実家からは歩いて少しかかりますが、それこそ我が家の庭のようにいつも遊んでいたように思います。天神さんとしか呼んだことがなかったので、そしてあまりにも身近な場所だったので、こんな名前があったこともその歴史も、これを書きながらにして初めて知りました。
奈良町天神社は、奈良町のはずれ、奈良公園の端っこ、荒池や浮見堂の東側にあるこんもりとした丘の上にあります。境内の南側は斜面になっていて、天神さんの敷地なのかどうか、芝生の公園になっています。ちょっとしかない遊具と小さなベンチ。少し寂しげかもしれない、ひっそりとした公園ですが、南からの太陽光がたっぷり降り注ぐ明るい公園です。たまに鹿も遊びに来ます。
奈良公園のはずれの丘に鎮座する神社。1078年の創建で、本殿・拝殿とも江戸時代中期のもの。
正面に立つ赤鳥居と、一段上がったところにある御廊。
丘の麓から古い石段を上る。
こっそり迷路にしてあった、古いジャングルジム。
くずれかかった石段や、寄付者の名が掘られた石柱や、秋になったら転がるどんぐりの実や、鉄棒を握った時のあの鉄臭い手のひらや、こっそり迷路にしてあるジャングルジム。夏になると天神祭があって、狭い路地に夜店が並ぶ光景。うちわを片手に金魚すくいにヨーヨー釣り。雪が積もれば雪だるま。春が来たら四葉のクローバーを探したり。飼っていたインコのためにハコベの実を摘んで。近くにあった晩秋にイガ栗を落とす栗の木は、僕の中ではこの辺りのヒーローでした。
一年中遊び場だった奈良町天神社。言うまでもなく学問の神・菅原道真を祀る神社で、地元では周辺の町を「てんま」と呼びます。長く緩やかに伸びた石段には風情が感じられます。すらりとした狛犬も見どころのひとつ。
奈良町天神社のある丘の斜面は公園になっている。何十年変わらない遊具。
子供時代の思い出が息づく公園。
拝殿手前の狛犬。
そこだけがいつも、光に満ちて明るく輝いている。
今でも奈良公園を散歩する時はよく通ります。斜面になった小さな芝生と、こんもりした林に包まれた小さな社が見えると、とても懐かしく落ち着いた気持ちになれます。昔からそうですが、いつも人がいなくてひっそりしています。でも本当の日溜まりのように、そこだけがいつも光に満ちて明るく輝いています。なぜか吸い寄せられるように、今は無邪気に遊ぶわけではありませんが、ちょっとだけ腰掛けて思い出に更ける大切な場所です。
境内からは奈良の町並みを見渡せる。そこにあるのは昔ながらのありふれた、しかし愛おしい町の風景。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 奈良町天神社 |
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所在地 | 奈良県奈良市高畑町1049 |
問い合わせ先 | 0742-22-1602 | 奈良町天神社 |
休業日 | 無休 |
料金 | 無料 |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/天神社_(奈良市高畑町) |
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