住吉反橋
すみよしそりはし □大阪府大阪市
巧妙に仕組まれた、奇跡のアーチとその意義。
古来から橋は、構造上アーチを描くものが少なくありませんでした。石橋などはその代表例で、橋桁の下にアーチ状に積み上げることで自重と荷重の力を分散でき、強度を保ちます。木造でも錦帯橋のように、特徴あるアーチによって荷重を支える構造がよく用いられました。住吉大社にある反橋も、そんな美しいアーチを描く橋のひとつ。でもそれは強烈なアーチを描いていて、橋桁を支える柱もたくさんあり、純粋なアーチ橋とは本質的に仕組みが違いそうです。
絶妙なアーチ曲線を描く住吉大社の反橋。「太鼓橋」とも呼ばれている。
水面に映り込んで、なお一層美しさを増す。
それは美しさのため。日本100名橋にも選ばれている住吉大社の反橋は、通称・太鼓橋とも呼ばれ、神社のシンボルとして親しまれています。豊臣秀頼が造営したとも、秀吉の側室・淀殿が寄進したとも伝わる反橋。架橋当時は住吉大社付近には海岸線があり、入江を渡る橋だったと言われます。現在の反橋は2009年に架け替えられたものですが、石造の橋柱や梁は豊臣時代のままと言われています。幅は5.8m、長さは20mほどという小さめの木造の橋。そしてなんといっても絶妙な曲線を描くシルエット。歴史を通じて受け継がれたその造形美は、水面に映り込んでなお一層美しさを増します。
赤も鮮やかな欄干が境内の池に映り込む様子は見ごたえたっぷり。
アーチの勾配はとても急で、最大傾斜は48゜。
ただ、渡るとなるとちょっと大変。その最上部は両岸より4.4mも高く、渡り始める頃には目の前に壁のように立ちはだかり向こうが見えません。アーチの勾配はとても急で、なんと最大傾斜は48゜。スキーやスノボをされたことがある方なら、その急斜面を想像できると思います。ちょっとバランスが崩れたら滑り落ちそうなくらい。短い橋なんですが、橋は歩幅の小さい階段になっていて、想像するより渡るのに時間がかかる気がします。
豊臣時代に初めて架けられたという歴史とその美しさから、「日本百名橋」に選ばれている。
橋の真ん中は、ちょっとした展望台。
ようやく橋の真ん中まで来ると、そこはちょっとした展望台。今までは見えなかった住吉大社の境内や社殿が見え、振り返ると街につながる参道が見下ろせます。橋から自分の前と後ろの景色を眺めていると、反橋は住吉大社の神の領域と人々が生活する俗世を結んでいる架け橋のように思えてきます。
さて、残り半分を歩き出すとき、反橋の背後に街は隠れてゆきます。いよいよ聖域に入ってきたと、なんだか不思議に厳かな気持ちにさせられます。きっとそのためにこの反りはあるんだなと、遠い遠い過去に、巧妙に仕掛けられた造りに驚かされました。
最大傾斜は48°もあり、まるで壁のように感じる。橋の高さは4.4mあり、境内を見渡せるほど。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 住吉反橋 |
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所在地 | 大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89 |
問い合わせ先 | 06-6672-0753 | 住吉大社 |
休業日 | 無休 |
料金 | 境内無料 |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | http://www.sumiyoshitaisha.net/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/住吉反橋 |
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