鶴橋市場

闇市が原点、縦横無尽の多国籍市場。

photo_by_街画ガイド

近鉄鶴橋駅のホームに降り立つと、なんとも食欲をそそる焼肉の香りが漂います。特に夕方以降はがつんと芳ばしい香りが立ち込め、電車のドアが開くだけでも車内に流れ込んできます。お腹が減っている時なんかはたまらなく誘われます。鶴橋は関西でも指折りの焼肉店街。大きな有名店からこぢんまりとした小さな店まで、数えきれないくらいの焼肉店がひしめき合うように密集しています。

3区にまたがって、約800もの店舗がひしめく。

photo_by_足成

そんな焼肉店街を含めて、鶴橋駅を中心に甲子園球場2個分という敷地に広がるのが鶴橋市場。6つの市場や商店街が集まり、総称して鶴橋市場と呼ばれます。天王寺区、東成区、生野区と3区にまたがって約800もの店舗。縦横無尽に張り巡らされた路地に沿って数坪程度の小さな店が無数に並びます。焼肉店をはじめ、韓国食材や加工食品の専門店が中心ですが、衣料や日用品などありとあらゆるものが揃います。
もともとは終戦直後、焼け野原と化した周辺一帯に闇市ができ、ありとあらゆる物がここに集まってきたのが鶴橋市場の原点と言われます。その当時から商売を続けてきた人が多く、レトロな雰囲気や気質もそのまま残しているのが特徴。

もはや、ディープな大阪エンターテイメント。

イメージとしては、とにかく元気。そのエネルギッシュな活気は日本ではないみたい。どこか外国みたいな、異国情緒さえ感じる雰囲気があります。馴染みの客が多そうで、狭く入り組んだ路地でも勝手知ったる顔で闊歩されてます。初めて行くとその迷路のような、文字通り右も左も分からなくなる複雑な路地なのに。
でもそんな鶴橋素人にも気さくに声がかかり、ついつい足を止めさせられます。その独特の空気は観光気分を刺激するに十分で、市場の勢いや雰囲気に圧倒されそうになりながらも、ディープな大阪エンターテイメントを味わえる街でした。

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