大滝ダム
おおたきだむ □奈良県吉野郡川上村
「東の八ッ場、西の大滝」と呼ばれた、巨大ダム。
吉野の山間を快走する国道169号線沿いに、突如として現れた巨木。よく見るとその天を突くような大木を取り巻くように、螺旋階段が付いています。特に前調べもせずに走っていたので、そんなびっくりの光景に思わず車を停め見学。残念ながらその巨木はイミテーションですが、そのユニークさは立ち寄る価値ありの建造物です。
なぜならそこは、国内有数の大きさを誇る大滝ダムを見下ろすことができる展望台になっているから。高さ100mという巨大な堤防、コンクリートの化け物のような迫力を間近に眺められます。
ユニークな展望台からは、「東の八ッ場、西の大滝」と言われた大滝ダムの全容を眺められる。
高さ100mという大滝ダムの巨大な堤防。
水量も豊富な、ダムの放水路。
500世帯が湖底に沈むという、壮絶な計画。
また幾重にも重なる山並みや、目も眩むほどに深い谷底を見ることもでき、訪れた日は霧が立ち込めるあいにくの天気でしたが、それでも自然にしろ建造物にしろ、スケールの大きさには驚かされます。この施設は「大滝ダム学べる建設ステーション」というもの。ダムに関する資料館も併設されています。
大滝ダムはかつて「東の八ッ場、西の大滝」と呼ばれたように、その是非について地域に大きな論争を巻き起こしたダム。平安時代に創建された由緒ある丹生川上神社や、縄文時代の大規模集落遺跡も水没、さらに500世帯近くがその湖底に沈むという壮絶な計画が発表されたのは1962年。着工されるまでに34年間もの交渉が行われたという曰く付きの巨大ダムなのです。
地域の反対もあり計画から着工までに34年を要し、工事完了したのは計画から50年を超えていたという。
一瞬空を飛ぶような、「伯母谷ループ橋」。
そしてそれから十数年を経た現在も建設中という大滝ダム、しばらく国道を走っていてもずっとダムの工事現場が続き、その大きさを実感します(※2012年に完成)。谷底で動く作業車はとても小さく見え、やがて湖水に満たされるV字谷を見下ろすのはなんだか不思議な感じがします。
ダムの南には長いトンネルが続き、円を描きながら高度を上げてゆく「伯母谷ループ橋」があります。地図で見るとよくわかるのですが、ループ上にトンネルが2本あり、一つ目のトンネルが途切れた時、山壁から飛び出すように道が谷の上でカーブを描きます。そして道は旋回し、また山壁に空いた二つ目トンネルの穴へと突っ込んでゆきます。一瞬、暗闇から突然開けた空を走っているような、痛快な瞬間でした。
大滝ダム周辺は深いV字渓谷が続く険しい山地。近くにある国道169号線の「伯母谷ループ橋」は見ごたえがある。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 大滝ダム |
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所在地 | 奈良県吉野郡川上村大滝 |
問い合わせ先 | 0746-53-2372 | 大滝ダム学べる建設ステーション |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.kkr.mlit.go.jp/kinokawa/dam/dam_index.html |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/大滝ダム |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121336-d13200591-Reviews-Otaki_Dam-Kawakami_mura_Yoshino_gun_Nara_Prefecture_Kinki.html |
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