須崎食料品店・讃岐うどん
すざきしょくりょうひんてん・さぬきうどん □香川県三豊市
食料品店の奥に潜む、看板のない讃岐うどん店。
その店名はうどん店であることを連想させないし、店の外観のどこを見回しても、うどん店である看板や案内が一切ありません。今讃岐うどんの巡礼愛好者のあいだで話題に上っているのがこの須崎食料品店というお店。閑静な集落の一角にあって、生鮮食品や日用品まで取り揃える小さな昔ながらの地域密着の食料品店です。
集落の中心にあり、地域のおばあちゃん達のコミュニケーションの場ともなっているようで、店内に入ると誰からともなく気さくな感じで「うどんかい?」と声をかけられました。指差されたのは、惣菜コーナーの棚の横にあるひとつのドア。それはどのように見ても普通は入れない店のバックヤードへの扉。なんの変哲もない業務用の扉の向こうに、通も唸らせる讃岐うどんの名店があるのはどうも不思議な気持ちになりましたが、騙された気で扉を開けてみます。
田舎で昔ながらの食料品店。店内のバックヤードに続きそうな扉の向こうに、驚きの讃岐うどん店がある。
町角の古い建物で営業している。
ごく普通の田舎にある食料品店という佇まい。
世界の底にある、秘密の工場のような場所で。
扉の向こう、暗い部屋をひとつ隔てた奥に、白い蛍光灯に照らされた10畳ほどの作業場。誰も知らない、世界の底にある秘密の工場のような場所で、須崎食料品店のうどんは作られていました。どこかの科学研究所のような無機質な蛍光灯の下、立ち上る湯気はやけに躍動的に見えます。それと同じように、店主の手によって紡ぎ出されるうどんも生き生きと跳ね回り、ほの暗い室内の中で明るく輝いているように見えます。
茹で上がりを待つ人々が徐々に増えてきて、この静かな食料品店の奥の秘密工場はにわかに活気を帯びてきます。「釜玉にする卵を切らしたので売場の卵パックを持って来てちょうだい」と、フル回転で忙しそうな店主にお願いされ、あの秘密の扉を抜けて売場へ戻ります。レジの初老の女主人に事情を話し、卵のパックを手にして再び秘密工場へ。やっぱり開けるたびに不思議な感覚に陥る扉です。
世界の底にある秘密の工場のような場所で、須崎食料品店のうどんは作られていた。
白い蛍光灯に照らされた10畳ほどの作業場。
売場でもうどんの玉が販売されていた。
出来立ての麺から立ち上る、湯気も一緒にいただく。
そろそろうどんが茹で上がり、湯気立つ麺に卵とダシしょうゆをかけ、釜玉でいただきます。須崎食料品店のうどんは全体的にモチっとした弾力が特徴です。噛んだ瞬間のふんわりとした食感、すぐに顔を出す芯の通った確かな弾力。そしてはっきりとした小麦の香り。卵と薬味のネギ、ダシがそれぞれに混ざり合ってうどんの旨味を引き立たせます。ピカピカツヤツヤの出来立ての麺から立ち上る湯気もいっしょにいただきながら、讃岐の町の片隅の、そのまた秘密の扉の向こうに見つけた特別なうどんを楽しみました。
須崎食料品店のうどんは食料品店の棚にも作りたてが並ぶため、自宅用やお土産として買って帰る人も多いのだとか。また他の棚に並ぶ商品もよく見ると郷土色の濃い地元の老舗のものや、醤油豆や金刀比羅味噌など土産として買いたい品々があって、何か掘り出し物でも探すようにそれらをを物色するのもまた、須崎食料品店を訪れた時の楽しみのひとつです。
噛んだ瞬間のふんわりとした食感、すぐに顔を出す芯の通った確かな弾力。うどん通も唸る逸品。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 須崎食料品店・讃岐うどん |
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所在地 | 香川県三豊市高瀬町上麻3778 |
問い合わせ先 | 0875-74-6245 | 須崎 |
休業日 | 不定休 |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.suzaki-udon.com/ |
wikipedia | - |
食べログ | http://r.tabelog.com/kagawa/A3703/A370303/37000143/ |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g1022921-d7534687-Reviews-Suzaki-Mitoyo_Kagawa_Prefecture_Shikoku.html |
LAST VISIT | 201001 |
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