明神丸・鰹のタタキ

藁焼きが絶品、鰹のタタキの超人気店。

ひろめ市場内にある鰹のタタキの超人気店。“漁師が釣って、漁師が焼いた”をキャッチフレーズに、地元で水揚げされる新鮮な鰹を伝統の藁焼きで調理します。焼くところは店頭から見えるようになっていて、藁を足すたびにボンッと大きな炎が上がり、その火柱の中で鰹が焼かれる様子は見ていて迫力があるものです。
鰹のタタキはその成り立ちには諸説ありますが、高知では古くから漁師のあいだでよく食べられていた名物料理。鰹はしめると風味の落ちが早く独特の臭みも増してくるので、新鮮な鰹がたっぷりと水揚げされる高知では、極上にフレッシュな鰹を堪能できるわけです。

初めて出会ったのは「ひろめ市場店」。現在では6都府県に展開している。

一本釣り漁船から始まった、こだわりの逸品。

明神丸を運営するのは明神水産という、元々は一隻の一本釣り漁船として始まった会社。今では数隻の一本釣り漁船があり、黒潮に乗って日本近海を回遊しながら漁をしているそうです。その明神丸が徹底してこだわるのが、昔ながらの藁焼き。藁は空洞になって空気を蓄えているため一気に燃えやすく、鰹の表面だけを焼くのにとても適しているそうです。そしてもちろん香ばしい風味付けに。肝心の藁は年々入手が難しくなってきているそうですが、明神丸は藁にもこだわり、輸送や保管などで型崩れしないように、あくまで県内産の藁を農家協力のもと集めているそうです。そんな思いの詰まった鰹のタタキとは。

藁焼きの様子は一見の価値あり。一瞬で燃え上がる炎の中で、新鮮な鰹の表面が焼かれていく。

一切クセのない、透明感のある旨味。

そういえば初めて明神丸の鰹のタタキを食べたのはよさこい祭りの夜で、もう熱気に熱気が重なりあいひろめ市場は最高潮の盛り上がりを見せていました。それでなくてもいつも賑やかな、ひろめ市場の一番奥の方で、いつも鰹のタタキ、そしてビールという定番のセットで注文します。
身が分厚く、藁で焼いた際のススが表面にうっすらと付いている明神丸の鰹のタタキは、間違いなく絶品です。噛んだ瞬間、柔らかくとろけるような食感にまず驚きます。そして鰹が本来持つ甘さとコクが口に広がり、一切クセのない透明感のある旨味が堪能できます。柔らかな香ばしさは、もちろん藁焼きの証。ほんのり温かいタタキなんて、高知以外では食べたこともありません。

噛んだ瞬間、柔らかくとろけるような食感。そして一切クセのない透明感のある鰹の旨味が堪能できる。

高知を訪れた時には必ず立ち寄る、定番のお店。

よく言われますが、いつも食べる鰹のタタキ、たとえそれが高級な料亭であっても、高知で食べるのと比べるとそれは全く別物。本場のタタキは、こんなにも違うものかと、毎度ながら本当に度肝を抜かれます。明神丸の鰹のタタキは、そんな高知の中でもオススメの逸品です。
というわけで、鰹のタタキを食べるためだけに高知に行ってもいいと思えるくらい、間違いなく美味しい最強の郷土料理。明神丸は、たくさんの人で賑わうひろめ市場にあるため、いつも行列ができて席もなかなか確保できないですが、高知を訪れた時には必ず立ち寄っている定番のお店です。

ひろめ市場はいつも大賑わいだが、必ず買ってしまうのが明神丸。

人気メニューの「鰹たたき山かけ丼」。

定番の「たたき定食」。

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