久礼大正町市場

港町の本能を感じる、活気ふれある市場。

古くから漁港として栄えた久礼の町。港近くにある久礼八幡宮を中心に、細く入り組んだ路地が曲がりくねりながら続く町並み、歩いているとまるで大きな迷路の中みたいに、方角の感覚が薄れてゆきます。それと同時に本能は町の空気に同化してゆき、いつしかそれが心地よさに変わる不思議な町。人々の昔ながらの生活や、それぞれの関わり合いが育てた、どこか優しいこの町の雰囲気がとても魅力的です。

普段は静かで落ち着いた久礼の町の元気を一ヶ所に集めたような、活気のある市場。

木造のアーケードが珍しい市場。

久礼漁港に揚がった海産物が並ぶ。

入口にある市場の看板も、なんだか愛嬌たっぷり。

そんな普段は静かでおっとりとした久礼の町の元気を一ヶ所に集めたような、活気のある市場があります。アーケードが設けられた50mほどの小さな市場に、毎日明るい声が響くのが久礼大正町市場。入口にある市場の看板もなんだか愛嬌たっぷり。日々の町の時計のネジを巻いている久礼大正町市場、その親しみある空気感は、今やたくさんの観光客のお目当てになりました。
木造アーケードが珍しく、自然光の差し込む明るい通路、天井には大漁旗がなびいているのが印象的です。久礼漁港に揚がった海産物が並ぶのはお昼から。朝どれ、昼どれが揃う正午から市が始まります。スーパーでは見かけない珍しい魚も並び、見慣れない小魚が皿に無造作に山盛りにされている様子は、いかにも港の市場的風景。美味しい食べ方や調理方法も教えてくれたりして、地元の方々との会話も弾みます。

大火で傷ついた久礼の町の復興費を大正天皇が寄付したことからこの名がつけられた。

久礼大正町市場の入口。

昭和的な懐かしい町角。

ブリキの看板に、小さな思い出の発見を楽しむ。

市場の雰囲気をしっかりと体に染み込ませたあと、少し西に歩いたところに気になる建物を発見。開いていないようでしたが、その壁にはところ狭しと古いブリキ看板が貼り付けられています。どれも昭和全開の懐かしいデザイン。いつかどこかで見た覚えのあるあの看板が、目の前にずらりとならんでいて不思議な感じ。ひとつひとつ確かめながら、小さな思い出の発見を楽しみました。
気がつけば日も暮れかけ、知らぬ間にどっぷりと久礼の町に染まっていた自分。なんだか心が洗われるような素敵な町でした。

古いブリキの看板が所狭しと貼られた建物を発見。

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