千畳閣

せんじょうかく　□広島県廿日市市

別次元の時間が流れる、独創的な世界。

厳島神社と並んで宮島の観光スポットとして人気のあるのが豊国神社。豊臣秀吉と加藤清正が祀られている厳島神社末社で、厳島神社の入口横の石段を上ったところにある神社です。対岸からも見える大きな屋根を持つ本殿は、畳857枚分もの広さがあり、通称「千畳閣」と呼ばれます。
1587年、豊臣秀吉が戦で死んだ将兵の慰霊のために大経堂として建立したもの。でも秀吉の死で工事が中断し、現在でも未完成のままという建物です。だから板壁もない、天井の板もない、堂へ上がる正面の階段もないといった感じ。でも逆にそのことが千畳閣を千畳閣たらしめているというか、他にはない独創的な世界を現出させています。

厳島神社の末社で、本殿は畳857枚分もの広さがあることから「千畳閣」と呼ばれている。

16世紀後期に豊臣秀吉の命により建造された。

細部の仕上げは行われぬまま、未完成の建物とされる。

建物全体から、重厚な歴史の香りが染み出す。

千畳閣に入ってみると、創建時から変わらず流れているような不思議と落ち着いた雰囲気に、瞬間的に癒されてしまいます。古色蒼然とした丸柱、年月が刻み込まれた板間の床、むき出しの年老いた立派な梁。頭上には彫刻や古い絵巻などが飾られ、建物全体から重厚な歴史の香りが染み出します。そこに混ざり合ってくるのが、瀬戸内海の爽やかな風。それが千畳閣に独特の癒しの雰囲気を作り出します。
千畳閣には壁がありません。小高い丘の上に建つため風通しがよく、周囲の木立に濾過された風が吹き抜けます。いつも新鮮な空気が堂内を満たし、風格ある建物の雰囲気と合わさって体を包みます。それが例えようもなく心地のよい時間を与えてくれます。縁側には気を許してしまったたくさんの人々が憩っています。

堂内には彫刻や古い絵巻などが飾られ、建物全体から重厚な歴史の香りが染み出す。

木々の向こうには瀬戸内海、さらに広島の街が見える。

千畳閣の縁側の下。長さは約40mもある。

色々な風景画の、素敵なアングルを見比べて。

堂内からは床と軒、そして柱に切り取られるようにして宮島の美しい景色を眺められます。厳島神社、瀬戸内海、弥山、そして千畳閣のすぐ隣に建つ朱塗り鮮やかな五重塔。それぞれの景色がまるで額縁に入れた風景画のようにして見える様は秀逸。色々なアングルを探して、堂内をめぐるのもまた楽しいものです。
とにかくゆっくりとした、別次元みたいに独特な時間の流れる千畳閣。数々の美しい情景に出会える宮島の中でも、一番好きな場所です。

厳島神社の大鳥居と比べても、千畳閣の巨大な瓦屋根がよく分かる。

外の光が反射する堂内の床板。

四方の軒の反りが特徴的な五重塔。

五重塔と千畳閣が並び建つ。

高台にある千畳閣へと上る階段。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	千畳閣
所在地	広島県廿日市市宮島町1-1
問い合わせ先	0829-44-2020 ｜厳島神社
休業日	-
料金	昇殿100円
駐車場	なし
公式サイト	-
wikipedia	http://ja.wikipedia.org/wiki/千畳閣
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022438-d1424043-Reviews-Senjokaku-Hatsukaichi_Hiroshima_Prefecture_Chugoku.html
LAST VISIT	200905