桜島
さくらじま □鹿児島県鹿児島市
途方もない存在感を放つ、薩摩の火の主。
埠頭から動き出した小さなフェリー。濃い青色をした海と、その海と同じように深い青色をした夏空のあいだを、風に押されるようにしてゆっくり進んでゆきます。船首はまっすぐに桜島の美しいシルエットに向かっています。デッキの最前部まで行くと、油絵で描いたような鮮やかな空をバックに、いよいよその山容は鮮明になり、同時にその険しい山肌も表情を表します。その険しさは桜島が活発な活動を続けてきた証。今もたゆまず噴煙を上げる様子と、その頼もしく堂々とした存在は、空が落ちてこないように一人支えている巨人のようです。
鹿児島のシンボル。最高峰は北岳1,117m、南岳は今も活発な活動を続ける活火山。
南麓の「有村溶岩展望所」付近から南岳を望む。
激しい表情の溶岩が随所で見られる。
かつては文字通り、桜島は島だった。
桜島は世界的に見ても有数の活火山で、今も噴火を繰り返しています。約25000年前、空前絶後の規模だったといわれる姶良大噴火、その時にできた超巨大なカルデラが今の鹿児島湾といわれます。その海底からはその後も脈々とマグマが供給され、桜島は海底火山から産声を上げました。その後も数千年単位で噴火を繰り返して、やがて海面に姿を現し、とうとう1914年の大正大噴火によって大隅半島と陸続きになります。それまでは文字通り、桜島は島だったのです。
桜島はそれ自身で山の名称とされますが、別に御岳とも呼ばれます。最高峰1117mの北岳、中岳、そして現在活動中の南岳から成り立っています。溶岩や火砕流によって円錐形に広がった山裾は東西約12km、南北約10kmにもおよび、はるか古代からの噴火の歴史と途方もない規模を如実に物語ります。今も噴煙を上げる南岳は1040m。直径700mもある巨大な火口は、今にも大空に向かってマグマを放たんと待ち構えます。
見る場所によってさまざまな表情を見せる桜島。写真は鹿児島市中心部の「城山公園」からの眺め。
この山はいつまでも、この街の大切なシンボル。
絶えず噴火し、その度に大きな災害をもたらしてきた桜島ですが、かつては2万人以上、今も約5000人が暮らすというのも特筆すべきもの。鹿児島市街からも目と鼻の先であり、世界的にも活発な活火山に寄り添うように人間が暮らすことは珍しいそうです。時として猛威を振るい、人々の生活に傷をつけることがあっても、この山はいつまでもこの街の大切なシンボル。山頂が見える場所に住むたくさんの人々の心の頼処なんだろうと思います。日本の南端、海からそそり立ち、途方もない存在感を放つ火の山は、それでも人々に見守られながら、次の噴火の準備をしているのかもしれません。
島全体が絶えず噴火する活火山であるにもかかわらず、今も約5,000人が暮らしている。
「湯之平展望所」から鹿児島市街地方面の眺望。
桜島へ渡るフェリーのデッキから。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 桜島 |
---|---|
所在地 | 鹿児島県鹿児島市 |
問い合わせ先 | 099-216-1327 | 鹿児島市観光振興課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | http://www.sakurajima.gr.jp/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/桜島 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298211-d1384884-Reviews-Sakurajima-Kagoshima_Kagoshima_Prefecture_Kyushu_Okinawa.html |
LAST VISIT | 200808 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。