なんばHIPS

(！)を建物にしてしまった、奇抜な複合施設。

大阪・ミナミの玄関口、なんば駅真上に2007年オープンしたアミューズメント複合施設です。地上12階・地下2階のビルには数々のエンターテイメント施設の他にも、カフェやレストランなどが入っていて、ミナミの新しい遊びのスポットとして人気を博しています。
まず目に飛び込むのが、その独創的なビルの外観。戎橋のキリンプラザ(今は解体されてしまいましたが)でも有名な高松伸氏の設計によるもの。ビックリマーク(！)と砂時計をモチーフにしたというユニークな外観です。外壁が砂時計型にくり抜かれ、その真ん中を！を表す赤い柱が貫くデザイン。それだけならまだしも、その赤い柱がフリーフォールだというのでまた驚きです。

大阪ミナミの玄関口なんば駅真上にある、ミナミらしい遊び心いっぱいのアミューズメント複合施設。

難波の交差点に聳え立つ、高さ86mの三角形。

御堂筋から見た「なんばHIPS」。

華々しくオープンしたものの…。

そのフリーフォール「ヤバフォ」は、とにもかくにも一番の注目を集めていたアトラクションでした。驚くことにビルの外壁に据え付けられたフリーフォールで、日本初、最高地点は地上74m。大阪のメインストリート、御堂筋をはるか見下ろす高さから、一気に落ちるスリルと興奮が売り物……でした。
というのも、華々しくオープンした翌日には異音がして休止。ほどなく再開しましたが、半年後には運転中に部品が外れ御堂筋に落ちるという、ひとつ間違えれば大事故につながりかねないような深刻なトラブルが続きました。以来ずっと止まったまま。

御堂筋に面した正面の意匠も奇抜なデザイン。ライトアップされ、より独創的の佇まいを演出する。

今では物悲しい雰囲気さえ、ふと漂わせる。

今やそんな負のイメージがつきまとい、すごく個性的な建物なんですが、なぜか目立たずにどことなくいつも通り過ぎてしまいます。当初のセンセーショナルなデビューとは裏腹に、今では物悲しい雰囲気さえ漂わせています。なんだか、見ていてちょっと切ない気分になってしまう、そんな建物となりつつあるような気がしています。

中央部分は砂時計をイメージ、かつフリーフォールという破天荒なものだが、すぐにトラブルが起き廃止されてしまった。

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