青木ヶ原樹海
あおきがはらじゅかい □山梨県南都留郡富士河口湖町
孤高の大自然、果てしない緑の世界。
樹海という言葉は、この青木ヶ原樹海を指すのに初めて使われた言い方なんだそうです。高台から見渡すと樹木の緑が延々と広がる様子が、文字通り大海原を思わせる大きな原生林です。富士山の北西、標高は900〜1300m、約30平方キロに渡って広がります。ちょうど山手線に囲まれた面積くらい、と考えると相当な広さなのが分かります。
元は湖だったそうですが、864年に大噴火を起こした富士山の寄生火山・長尾山から流れ出した溶岩台地に、長年の自然の営みの結果できた青木ヶ原樹海。約1200年という年齢は森としてはまだ若いそうですが、苔類がはびこり、空を覆い隠さんばかりに鬱蒼とした森が広がります。巨大な木の根があちらこちらで地面からむき出しになっていたり、湿り気を含んだ苔が絨毯のように繁茂しています。野鳥は210種類以上が見られるそうで、人の手が入っていない豊かな森の光景がどこまでも続いています。
富士山の北西に広がる約30平方キロの森林。人の手が入っていない豊かな森の光景がどこまでも続く。
青木ヶ原樹海を横切る、国道139号線の爽快なドライブ。
現在でも未踏の部分がほとんどで、安易に足を踏み入れるとやっぱり危険。迷ったら出られないとか、コンパスさえ効かないとか、小さな頃から青木ヶ原樹海は怖い所だというイメージがあり、僕は一歩も立ち入る勇気は出てきませんでした。確かにみずみずしい葉が生い茂り、清々しい万緑の森は美しい限りなんですけど、そんな先入観のため恐ろしい闇の口が待ち受けていそうな、やっぱり今でもちょっと怖い雰囲気がしてしまいました。
でもその純粋な自然を楽しむ方法もあって、ネイチャーガイドの案内で青木ヶ原樹海の遊歩道を歩くツアーなどが開催されています。また、青木ヶ原樹海を横切る国道139号線のドライブも本当に爽快です。行楽シーズンは渋滞も茶飯事ですが、スムーズに流れているとまるで高級外車のCMのような気分。緑の風に包まれた最高のドライブが楽しめます。
国道139号線は青木ヶ原樹海を走り抜ける爽快なドライブコース。