愛ちゃん・静岡おでん
あいちゃん・しずおかおでん □静岡県静岡市
真っ黒なダシに染み込んだ、店主の愛情。
おでんと言えば、全国各地でそれぞれに特徴のあるダシや具があり、地域によってバラエティに富んだ味を楽しめる料理のひとつ。たとえば自分の地方でごく当たり前の具材が、他の地方ではあり得ない珍品であったりします。だから旅先でのおでんって、なかなかにエキサイトなびっくり箱みたいなもの。旅を刺激的にするちょっとした小技でもあります。
その中でも、いわゆる静岡おでん(発音としては、しぞーかおでん)は、とりわけ個性的。それはまずは何をおいても強烈なほど真っ黒なダシ。鰻の蒲焼きのタレのように、牛すじからとるダシはどのお店も日々注ぎ足して使うために、このように真っ黒になるそうです。それと黒はんぺん。サバとイワシを骨も皮も一緒に練り物にしたものでダシと同じく色は黒。日持ちがしないため他県には出回らず、生産量の9割は静岡で消費されるという特産品です。
「愛ちゃん」は静岡おでん街にある名店。静岡おでんの醍醐味を味わえる。
静岡おでん街はまるで静岡おでんのテーマパークのよう。
店ごとの提灯が並んで賑やか。
創業50年以上を数える、最古参の名店。
ちなみに静岡ではわざわざ黒はんぺんとは言わず、単にはんぺんと呼ばれます。それぞれの具には、細かくしたかつお節と青粉をかけていただくのも静岡風。さらにどんな具でも全部串に刺されて煮込まれるというのも静岡ならでは。たくさんのルールによって、静岡おでんは日本各地のご当地おでんの中でも群を抜いて個性的です。
今回は静岡おでん街にある愛ちゃんでいただきました。愛ちゃんは静岡に星の数ほどあるおでん屋の中でも、創業50年以上を数える最古参の名店。地元の方はもとより、県外の人や有名人にもファンが多い人気店です。店名は先代のオーナーご夫妻が創業当時に生まれた娘さんの名前に由来するそうです。
「愛ちゃん」は静岡おでん街ができた当初からの最古参の店で、創業65年を超える。
初めて訪ねた時はまだ初代だった。
現在は2代目。提灯も新調された。
店内にいるお客さんは、否が応にも酒仲間に。
店はどこかの秘密基地みたいに狭く、おでんの鍋を囲うL字型になったカウンター席のみ。調理器具や食器などは壁の上の方までぎっしり積まれ、玉手箱の中にいるような感覚。暖かな色の電球が灯り、簡単な丸イスがなんともいえない懐かしさを演出します。
店には7席しかないので、よほど用意周到に訪れないとすぐに満席状態。ぎゅうぎゅう詰めで隣に座った人と方が触れ合うくらい、少し窮屈なんですけど、そのおかげで店内にいるお客さんは否が応にも酒仲間に。創業当時から注ぎ足し使われているダシ、それから立ち上る湯気が会話を盛り立て、店主を囲んで毎晩、その日限りのメンバーでの酒宴となります。旅先でのそんな一期一会が嬉しい、笑い声が絶えないおでん屋でした。
創業当時から注ぎ足し使われているダシで、静岡おでんを堪能。もちろん静岡おでんのルールで。
店を出ても、またもう一軒行きたくなる。
赤い提灯は、旅の美味しい思い出に。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 愛ちゃん・静岡おでん |
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所在地 | 静岡県静岡市葵区常磐町2-3-6青葉おでん街 |
問い合わせ先 | 054-252-3358 | 愛ちゃん |
休業日 | 水曜・木曜 |
料金 | - |
駐車場 | なし |
公式サイト | - |
wikipedia | - |
食べログ | http://r.tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22002644/ |
トリップアドバイザー | - |
LAST VISIT | 200705 |
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