宇奈月温泉

温泉噴水が出迎えてくれる、山間の名湯。

富山地方鉄道ののんびりとした列車に運ばれてたどり着く終着駅、宇奈月温泉駅。駅舎の外に出ると、もうもうと白い湯けむりを上げる噴水が出迎えてくれます。宇奈月温泉のシンボル、この温泉噴水は源泉から引湯された60℃の本物の温泉。惜しげもなく噴水として利用するなんて贅沢な仕掛けは、宇奈月温泉の豊富な湯量を物語っています。
駅の北側には宇奈月温泉街が広がります。温泉は江戸時代から知られていましたが、温泉街として開かれたのは大正期。黒部川を遡ること7kmほど離れた黒部峡谷・黒薙にある源泉から引かれています。透明度の高さが特徴の湯温は90℃以上もあり、１日約3000tが湧き出すという北陸有数の温泉地です。

富山地方鉄道の終着、宇奈月温泉駅の駅前にある「温泉噴水」。60℃もあるので要注意。

昭和の温もりが、そのまま残された街並み。

黒部川の流れに沿うように大きな温泉旅館や保養所が立ち並び、それらに囲まれるようにして広がる歓楽街や飲食街、その少しひなびた温泉街の様子は逆に新鮮さを与えます。ちょっとした裏通りなんかは、昭和の温もりがそのまま残されたようなノスタルジックな空気が流れています。
この町の入口には絶佳の渓谷美を誇る黒部峡谷へ向かうトロッコ電車の始発駅もあるため、宇奈月温泉はその出発前の一泊を過ごす人たちの人気を集めています。また町には「おもかげ」「いっぷく」「駅前通り」と名付けられた3つの足湯があり、宇奈月散歩の足を止める素敵な休憩所として賑わっています。訪れたのは9月だというのに山間の町にはもう既に肌寒さがあり、足湯「駅前通り」に浸かり暖を取りました。次々に行き交う可愛らしい玩具みたいなトロッコ列車を眺め、小さな車輪とレールが奏でるあの独特の金属音を聞きながらの足湯、まさに宇奈月ならではの至福の時間でした。

温泉街は昭和の温もりがそのまま残されたような、ノスタルジックな雰囲気。

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