御影公会堂

みかげこうかいどう　□兵庫県神戸市

華々しい記憶は色褪せても、なお美しき名建築。

あの戦争も、あの大震災も堪え忍び乗り越えた強さ。その度に繰り返された人々の悲しみや嘆きをも受け入れ、支えとなった優しさ。かつては羨望の結婚式場として憧れを集めた華やかさ。今も人々の交流の場として市民の心をつなぐ頼もしさ。そして、そうして神戸の人々に愛され育てられ、壁や柱や空気に染み込んだ何にも代えられない時の記憶。
御影公会堂には、神戸の人々の想いがたくさん刻み込まれています。今でこそ市内にはもっと大きなホールや展示場がたくさんありますが、御影公会堂はそうした人々の熱い想いとともに、今も昔から変わらない姿で時を刻み続けています。

あらゆる場面に個性がある、独特の存在感を放つ建物。

ジブリのアニメ「火垂るの墓」では、空襲によって一面焼け野原と化した町に、御影公会堂だけがぽつんと建つシーンがあります。激しい戦争を生き延び、そして大震災でも倒れなかったその頑強な建物は、同時に傷ついた地元の人々の心の拠り所ともなりました。
戦後は誰もが憧れる結婚式場として羨望の的となり、今までここで挙式を行った夫婦はすでに2万組以上にもなるんだとか。結婚式も多様化した現代では、ここで式を挙げることも稀有となりましたが、全部で8つあるホールや会議室では、今も地域のコミュニティ活動やセミナーなどが活発に開かれています。
そんな御影公会堂は1933年に建築された、鉄筋コンクリートの重厚な建物。入口を入るとロビー正面には主役の階段。空間にはとても太い丸柱が無数にあり、関取が並んだように迫力があります。古いコンクリートの、鉄と石が混ざりあったようなあの独特の香りが漂い、次第に心は落ち着いてゆきます。見上げれば天井は高く大きく、アーチを描く梁、壁にかけられた油絵、古く冷たそうなベンチ、あらゆるものに個性があります。そしてそれらは一体となって、建物の外観から放たれるあの一種独特の存在感を作り出しているように感じられます。

もうひとつの名所、御影公会堂食堂。

また印象的な建築の他にも、この御影公会堂が人気のスポットになっているひとつの理由があります。それは、公会堂の中にある御影公会堂食堂。この建物ができた時から営業している老舗の洋食店です。店は地下にあるんですが、巧みに設計された窓からは十分に日光を取り込み、そこが地下であることを感じさせません。名物は創業以来変わらないオムライス。シンプルで優しいその味は、空間と同じように、どこか懐かしい昭和時代を思い出させる一品です。なかなかの人気店のため行列は覚悟ですが、レトロな空間でいただく、御影公会堂ならではのオムライスはおすすめです。

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アクセスマップ

詳細情報

名称	御影公会堂
所在地	兵庫県神戸市東灘区御影石町4-1-1
問い合わせ先	078-841-2281 ｜御影公会堂
休業日	火曜日、年末年始
料金	-
駐車場	敷地内無料駐車場
公式サイト	https://mikage-kokaido.jp/
wikipedia	http://ja.wikipedia.org/wiki/神戸市立御影公会堂
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g298562-d1679737-Reviews-Mikage-Kobe_Hyogo_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT	201904