出石の町並み

時代絵巻の城下町、風情の町並みは「但馬の小京都」。

但馬の小京都と呼ばれる出石の町並み。かつて但馬地方ではもっとも栄えていた城下町でした。出石そばや出石焼も有名なこの町を歩いてみると、奥ゆかしさを秘めた町並みの、とても美しいことに心奪われます。
出石の町は出石川に沿い、三方を山に囲まれた静かな佇まいの町。通りはどこも落ち着きしっとりとした雰囲気に満たされていて、道脇に並ぶ古い家並みが素敵です。白壁の土蔵や古びた板壁、黒くなった格子が、室町時代から続く城下町の風格を今に伝えています。碁盤の目のように美しく計画された通り、鋳物師町・魚屋・材木・寺町など特徴ある町名はこの町が昔から変わらぬ姿で時を経たことを知らせてくれます。

三方を山に囲まれた静かな佇まいの町。城下町風情が色濃く残り、但馬の小京都とも呼ばれる。

辰鼓楼がネジを巻いて作り出す、ゆっくりとした時間。

そんな中でも、町のシンボルとして親しまれているのが辰鼓楼。明治初頭の設置当時は太鼓で時を告げていたという辰鼓楼には、今は大きな時計が据えられています。この城下町の隅々まで支配しているゆったりとした時間は、この辰鼓楼がネジを巻いて作り出しているような気がしてきます。
もちろん他にも魅力はたくさん。有名な出石そばに舌鼓を打ち、神秘的なまでの白さが眩しい白磁・出石焼。出石酒造の土蔵は太古シルクロードの砂漠の町を思わせるような、屋根以外が全て土壁という迫力満点の建物。桜の名所としても愛されている出石城。
一日たっぷりかけて散策、季節を変えてまた散策。重ねてきた歴史が積み上げたたくさんの美しい景観が、時代絵巻のように、訪れた人々の目を訪れた時毎に優しく愉しませてくれる町でした。

明治初期に造られた時には太鼓で時を知らせていたという、出石町のシンボル「辰鼓楼」。

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