宇高国道フェリー

風光明媚な、瀬戸内の多島美をかすめて。

岡山県の宇野港と香川県の高松港を結ぶ、わりと大型のフェリーによる定期便です。その名のとおり国道30号線の海上区間となっていて、35〜50分間隔で24時間、本州と四国を往ったり来たりの航路を走っています。ほぼ同じ航路を、別会社の四国フェリーも運行しています。
この航路は風光明媚な瀬戸内海を南北に縦断するコース。静かに凪ぐ海は太陽の光を一様に反射し、まるで白い絹のように見えます。その白亜の海と透けるような空のあいだを、蝶番のようにつないでいる瀬戸内の島々。

風光明媚な瀬戸内海を南北に縦断する航路。写真は近づく高松の街並み。

美しい内海の情景を、脳裏に写しとりながら。

はるか西には瀬戸大橋が海霞に煙り、途中には鬼ヶ島と異名をとる女木島やアートの島・直島などの見ごたえある島の横を通ってゆきます。特に航路の真ん中あたりに浮かぶ大槌島は、海の上にぽっかりと突き出した綺麗な円錐、まるで三角帽のような風貌で、遠景ながら趣きのある光景です。
瀬戸大橋が開通して以降、利用客は減っているそうですが、それでも高松と岡山を行き来するなら、遠回りして大橋を通るのと時間的にはそれほど変わりません。だから今でも結構人気の航路。それに約60分の乗船は、ちょうどいい休憩時間です。美しい内海の情景を脳裏に写しとりながら、ほっとひと息つく船旅。なかなか捨てたもんじゃないです。

瀬戸内の多島美を縫うように、かすめるように船は進んだ。

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