玉造温泉

神の国・出雲に、1300年の歴史を刻む古湯。

玉造温泉街を流れる玉湯川。宍道湖へ静かに注ぐ川岸に揺れる柳は、城崎のそれを思い出させます。玉造温泉は宍道湖の南、1300年もの歴史を刻む古湯です。733年の「出雲国風土記」にすでに記述があり、当時から美肌と健康に効果のある「神の湯」として紹介されています。また、あの「枕草子」にも名湯として登場します。温泉街の入り口には桜林があり、春には満開の花を咲かせ、伝統の湯に彩りを添えます。
いかにも昔からの共同浴場的な、うらぶれた外湯を探したんですが、どうやらそれらしき施設はなく、町には古くからの温泉旅館が並びます。規模としてはそれほど大きくないですが、歓楽街などもなく、こぢんまりと数寄屋造りの風情ある老舗が軒を連ねる様子は、玉造温泉の長い歴史が純粋に正統に受け継がれていることを感じさせます。

近代的な外観が、ひときわ目を引く施設。

そんな玉造温泉では、大きな日帰り温泉施設・玉造温泉ゆ〜ゆを訪れました。数少ない外湯のひとつで、かなり大きく近代的な外観がひときわ目を引きます。島根県出身の有名建築家、高松伸氏設計の建物で、斬新なデザインが特徴的。同時に町の基幹施設となるべくホールや会議室なども備えた多目的施設です。
お湯は無色透明のアルカリ性単純温泉。さらさらと肌触りのよい湯で、古代から美肌の湯と言われてきたように、浴後は肌がしっとりつるりとするいいお湯です。明日から冬が始まりそうな晩秋の寒い日の夜、ほっこりと全身が温まり、もう少しだけ玉湯川沿いの夜を散歩してみることにしました。

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