城崎温泉・一の湯

城崎外湯めぐりでは、外せない名湯。

温泉街を流れる大谿川沿いに、柳の揺れる光景が風情ある城崎温泉。城崎のシンボルである愛宕橋周辺は、いわゆる温泉街のお手本のような旅情ムード溢れる町並みです。その魅力は数々の文豪をも虜にし、この地で生まれた名作も多く、町にはあちらこちらに碑文が建てられています。
そんな城崎温泉には城崎外湯めぐりと呼ばれる七つの外湯があります。そのうちのひとつ、一の湯は外湯めぐりの象徴的な存在。町のほぼ中心、玉橋のたもとにあり、江戸時代から城崎温泉の代名詞として親しまれてきた歴史ある湯です。現在の建物は1999年に改築されたものですが、桃山風建築を模した堂々とした外観。その歴史と風格を十分に伝えています。

城崎外湯めぐり七湯のうちのひとつで、その象徴的な存在。温泉街中心部の愛宕橋の横に位置している。

かつて「天下一」と称されたのが、名前の由来。

かけ流しではないため、驚くほど力を感じる湯ではないです。でもかつて「天下一」と称され名前の由来にもなった湯につかれば、その歴史に包まれたような気分に浸れます。さらに浴室の奥にあるのは洞窟風呂。人工に作られたものでそれほど大きくはないんですが、それでも隠れ家的な、野趣満点のお風呂です。洞窟の天井から時折冷たい滴が落ちてきて、温まった体に触れると気持ちがいいものです。
建物内も広く、湯につかった後もゆっくりと寛ぐことができます。城崎温泉で外湯めぐりを楽しむなら、はずすことのできない温泉。浴衣に下駄、ふわふわと揺れる柳の葉になびきながらカランコロンと歩く人々が、今日も一の湯の暖簾をくぐってゆきます。

photo_by_NorihiroKataoka_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com

江戸時代に温泉医学の祖と言われた香川修徳が「天下一」と称賛したことから、「一の湯」と呼ばれる。洞窟風呂が有名。

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