奥丹

古くから南禅寺の勧進料理とされた、湯豆腐の老舗。

冬の京都と言えば湯豆腐。南禅寺横に店を構える奥丹は、湯豆腐の名店。古くから南禅寺の勧進料理とされてきた湯豆腐を、350年以上も守り続ける名店です。
小雪舞う南禅寺から暖かい奥丹に駆け込み（といっても30分ほど並びましたが）、和室の平机にて昼の湯豆腐セットをいただきました。店内からは縁側を挟んで坪庭が見え、そこから冬の日差しが低く差し込みます。七輪の上、湯豆腐の土鍋から立ちのぼる湯気で店内は頬がピンク色に染まりそうに暖かく、小さく擦り合わせていた指も自然とほどけます。

南禅寺の西隣に風情ある提灯が下がっている。京都湯豆腐の代表的な店で行列必死だが、ぜひ訪ねたい名店。

なめらかな食感の奥に隠された、極上の風味。

柔らかくなめらかな食感の奥に大豆の風味が端正に隠されていて、あっさりとしたぽん酢に浸していただくと、ほくほくと口を動かしながら目尻が緩む絶品です。惣菜として盆に並ぶ木の芽田楽、香り高く甘い味噌と一緒に。気の効いた小鉢や精進揚げも舌を楽しませてくれます。
いろんな意味で温まったあとはもう一度、所々で梅の蕾が春を呼ぶ東山界隈を散策に出かけました。

photo_by_RyosukeHosoi_CC_BY_2.0_from_flickr.com

店内からは縁側を挟んで坪庭が見え、そこから冬の日差しが低く差し込んでいた。七輪で茹で上げる湯豆腐は絶品。

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