池上製麺所・讃岐うどん

不動の人気、「るみおばあちゃん」の店。

映画「ＵＤＯＮ」で一躍全国区に躍り出た、あの「るみおばあちゃん」のお店です。2007年に装いも新たに移転したんですが、まだ旧店舗の時に訪れました。店は納屋のように小さくて、家内制手工業的な雰囲気が溢れる独特な空間。湯気の立ち込める部屋の中は、職人の工房のような印象です。キッコンパッタンと音を立てる昭和初期の足踏み式の麺裁断機、角が丸くなって黄ばんだ手書きのメニュー、色々な色が染み込んだコンクリートの壁。ノスタルジックな雰囲気があふれる店内に、昭和の記憶がよみがえります。
店の外から続く行列はその中に進み、細い通路をドミノのように並んだその先には、讃岐うどん界では知らぬ者はいないご存じ瑠美子おばあちゃん。屈託のないしわくちゃの笑顔で迎えてくれます。それはもうそれだけで癒されるような完璧な優しさを、瑠美子おばあちゃんは目尻のしわのあたりに湛えています。

photo_by_SatoshiKINOKUNI_CC_BY_2.0_from_flickr.com

映画に登場したことにより、一気に全国区になった池上製麺所。るみおばあちゃんの笑顔がトレードマークだった。

艶と弾力のうどんは、心のこもった一杯。

心のこもった、というのを肌で感じられるうどんは艶と弾力のあるもちもちとした麺で、セルフでダシをかけていただきます。土間分のスペースしかない台所であれやこれやするので、かなり混雑していますが、なんとか自分のうどんを仕上げていざ食します。台所を出た軒先のテーブルには当然座りきれず、道路に出て立ったままうどんをすすりました。雪も散らつく寒い冬の日でしたが、体も温まり吐く息も一段と白くなりました。

photo_by_SatoshiKINOKUNI_CC_BY_2.0_from_flickr.com

艶と弾力のあるもちもちとした麺で、セルフでダシをかけていただく。

新しい店舗でも、瑠美子おばあちゃんの挑戦が続く。

現在は移転した新店舗で営業されています。以前の店舗を知る方には、そしてあの別の時間が流れる空間が好きだった方には、ちょっと寂しい気持ちにもなるかもしれませんが、なにしろ、瑠美子おばあちゃんが長年持ちたかった理想のお店。それに器は変わっても瑠美子おばあちゃんと、真心のこもったうどんには何も変わりはありません。新しい場所でも、しっかりと讃岐うどんの原点が受け継がれています。

写真は移転前の店舗。真冬の寒い時期の行列だったので、熱々のうどんが体を温めてくれた。

アクセスマップ

詳細情報