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久能山東照宮 久能山東照宮

久能山東照宮

くのうざんとうしょうぐう □静岡県静岡市
公式HPwikipediaトリップアドバイザー食べログ国宝
オススメ度

日本最初の東照宮、絢爛豪華な国宝の社殿。

徳川家康を祀った神社、東照宮。世界遺産日光東照宮をはじめ、全国各地に建てられています。江戸時代の最盛期には700社を数えたそうです。今でも100社以上が現存するといい、華やかで装飾的な社殿は見る者に感銘を与えます。そんな東照宮の中でも、最初に創建されたのが今回ご紹介する久能山東照宮です。静岡のなだらかな山塊、日本平に1617年に建てられました。

久能山東照宮

かつて建っていたのは、難攻不落の久能城。

久能山東照宮へは、日本平の山頂から日本平ロープウェイに乗って向かいます。海側の麓から登る道もありますが、1159段もある石段でかなり急峻な道のりということもあり、ほとんどの観光客はロープウェイで向かいます。
そのロープウェイの中でガイドがありました。かつてそこには難攻不落の久能城があったこと、昔は表参道の他に日本平から尾根筋を歩いて参詣できてていたこと、ロープウェイが跨ぐ他には深さ90mもあり地獄谷と呼ばれていること。そんな険しい立地になぜ建てられたのか、久能山東照宮へ辿り着く前から、知りたいことが増えてゆきます。

久能山東照宮

海の絶景と、敵を寄せ付けない堅牢さ。

ロープウェイから見ると、久能山東照宮がある久能山が、日本平からは少し離れた場所にあり、駿河湾を望むアリーナ席のように迫り出した山であることがよく分かります。久能山の標高は216m。海の絶景と、敵を寄せ付けない堅牢さを兼ね備えた、また晩年を過ごした駿府城からも近く、家康が永遠に眠るには最高の場所だったのだと思います。

久能山東照宮

父の遺命を守り、御廟と社殿を造営した。

元々ここには奈良時代から久能寺という寺がありました。その後戦国時代に武田信玄が寺を移築し、ここに久能城を築城(城跡ということもあり、境内にはその名残の石垣があります)。やがて徳川家康が支配すると、自らの死後には久能山に埋葬するよう遺命が残されました。家康の亡き後、第2代将軍秀忠は父の遺命を守り、御廟と社殿を造営したのが東照宮の始まりです。
その後第3代将軍家光によって久能山東照宮の整備が進められ、今日に見られるかたちが完成してゆきました。

久能山東照宮

東照宮らしい、豪華な楼門。

境内に見どころは数えきれないほどありますが、参詣の順路から言えばまず楼門です。大変立派な2階建ての門で、軒下の組物や鮮やかな色彩、彫刻などどれをとっても東照宮らしい豪華さがあります。正面左右に随身が控えて、裏側には狛犬が控えています。
楼門を抜けると右手に「家康梅」と書かれた梅、左手には美しく咲き誇った満開のオオデマリ、さらに正面の石段右手にはまだ咲き残っている八重桜。季節の花が出迎える左手には、かつて存在したという五重塔跡。高さ30mもあった立派な塔だったそうですが、明治時代の神仏分離により解体されたのだそう。現在は礎石だけが残ります。

久能山東照宮

玉垣に囲まれた、久能山東照宮の真髄。

石段を上っていくと、鼓楼、神楽殿、日吉神社と重文の錚々たる社殿が建ち並びます。そして境内のほぼ中央に、玉垣に囲まれた久能山東照宮の真髄が鎮座します。
正面の唐門から出入りはできないので、東側にある小さな門から中に入ります。まず目に飛び込んでくるのが、国宝に指定されている絢爛豪華な御社殿。拝殿、石の間、本殿をまとめてそう呼ばれています。また権現造の最初であり、その後の東照宮の原型となった建築です。

久能山東照宮

徳川家の栄華が、見事に表現されている。

それにしても、溜め息が漏れそうなほど煌びやかな建築です。鮮やかな朱塗り、多色づかいの組物、四方の獅子。至るところに金色が使われ、豪華を極めます。1617年から変わることなく、徳川家の栄華が見事に表現されています。
また軒瓦には葵の紋が金色で塗られていますが、拝殿の左側の一番奥の軒瓦だけは、葵の紋が上下逆さまになっています。こうすることで建物を未完成とし、未来がまだよくなっていくことを願ったのだそうです。
また唐門と玉垣に施された無数の彫刻も秀逸。唐門の羽目板に唐獅子牡丹、黒松に鳥の透彫、玉垣の106枚の彫刻は必見です。いずれも極彩色で精緻な作で、もはや芸術的。写実的でありながら幻想的でもあり、その世界観に魅了されます。

久能山東照宮

神廟を満たすのは、厳かな空気。

そして久能山東照宮の最も奥で最も高い場所にあるのが、徳川家康の墓所である神廟。そこまでに向かう参道沿いには、家康に仕えた名だたる武将が奉納した石灯籠があり、刻まれた彼らの名を探すのも興味深いものがあります。神廟の中心には高さ5m、石造りの廟所宝塔が立ち、家康の功績を表すかのようなオーラを放っています。
本殿までは華やかで壮麗だった雰囲気も、神廟の周囲だけは全く違います。ここに流れた神聖な時間を染み込ませて育った木々が、厳かな空気を作り出しています。ここなら安らかに眠れる、すぐ眼下には華麗なる御社殿もある。家康にとってこの上ない場所であるはずです。

久能山東照宮

東照大権現の、時代を超えた力。

到底、久能山東照宮の全てを伝えることはできません。境内のあらゆる場所に美しい発見があり、心を打つ光景が溢れています。拝殿のように大きなものから、彫刻の片隅にいる小鳥まで。
他にも左甚五郎作と伝わる神馬を収めた神厩など重要文化財13棟、また国宝の太刀銘真恒を収蔵する久能山東照宮博物館など、見るべきものは枚挙にいとまがありません。また境内南端から望む、駿河湾の眺望も見事。それら全てが、東照大権現として今も人々を魅了する徳川家康の時代を超えた力なんだと感じました。

久能山東照宮

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 久能山東照宮
所在地 静岡県静岡市駿河区根古屋390
問い合わせ先 054-237-2438 | 久能山東照宮社務所
休業日 -
料金 社殿/大人:500円、小人:200円
駐車場 -
公式サイト https://www.toshogu.or.jp/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/久能山東照宮
食べログ
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298124-d1314063-Reviews-Kunozan_Toshogu_Shrine-Shizuoka_Shizuoka_Prefecture_Tokai_Chubu.html
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