高石ＰＡ

休憩しながら、コンビナート最前席。

ETCの普及によって高速道路の料金所が撤去され、その跡地スペースを有効活用した施設が多く見られるようになってきました。例えば阪神高速湾岸線では南芦屋PA、尼崎PA、泉大津大型車専用PAなどがそうです。そして同じように料金所の廃止により2021年に誕生したのが、高石パーキングエリア。りんくうエリアから大阪市内方面へ向かう上り線のみに設置されている小さなPAです。ドライブ中の休憩に重宝するのは当然ですが、高石PAには他ではあまり見られない、ちょっとした特徴があります。

複雑なパイプラインや、無数にそそり立つ煙突。

高石PAが所在する大阪府高石市の臨海エリアは、大規模な工場地帯。特に製油所や化学工場が建ち並ぶ、いわゆる石油化学コンビナートです。複雑に入り組んだパイプラインや無数にそそり立つ煙突、その独特の景観は「工場萌え」とも呼ばれるファンにとって人気のスポットとなっています。
高石PAはまさにその景観の最前席。すぐ目の前に広大なコンビナートがあり、他では見られない景色を楽しむことができるのです。

聖火台のように、消えない炎。

高石PAを訪れるのは、昼よりも夜がおすすめです。パイプラインの輪郭を表すように無数に煌めく電光は、まるで星空のよう。何本も屹立する煙突からは白い排煙が雲のようにたなびき、またある煙突からは聖火台のようにひたすら消えない炎が上がっています。この炎は昼夜問わず、いつ通っても消えているところを見たことがないのですが、一体何が燃えているのか純粋に興味が湧いてきたりします。とにかく高石PAから眺めるコンビナートの風景はダイナミックかつ精緻な景観で、大地を蠢く巨大な怪物のように思えてきます。まさに壮観な眺めです。

高速道路の揺れも、直に感じる。

高石PAは道路の脇の余った土地に、細長く作られたパーキングエリアです。一般的な乗用車は24台しか停められず、また施設の建物も休憩スペースとトイレ、あとは自動販売機がいくつか並ぶ程度。管理者は基本的にはおらず、無人で運営されています。
休憩スペースに座っていると、面白いことがひとつあります。それは、施設全体が結構揺れることです。初めての時は小さな地震が起こったのかと勘違いしてしまいそう。もともとは一般向けの建物を作る予定ではなかった場所とはいえ、高速道路って常にこんなに揺れているのだと発見した瞬間でした。

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