道成寺
どうじょうじ □和歌山県日高郡日高川町
文化財の宝庫、和歌山県最古の寺。
日高川下流の町、御坊の丘陵地に境内を構える道成寺。昔はもっと大きかったのかもしれませんが、門前には土産物屋、食堂や旅館が数軒並んでいて、それでも古くからの信仰の厚さが感じられます。和歌山らしく、みかんや梅干しが店頭に並んでいます。特にみかんが旬の季節だったので、小さくて売り物にならないものは無料で配られていて、さすがに産地だなという感じ。通りの一番奥にある、62段のやや急な石段を上ったところが道成寺の境内です。
風格に満ちる、1357年再建の本堂。
道成寺は和歌山県で最古の寺で、創建は飛鳥時代の701年。新西国三十三所にも選ばれていて、国宝の仏像や重文の堂宇なども有する和歌山屈指の名刹です。開山以来ずっとこの場所にあるそうで、1300年に渡り受け継がれてきた仏教世界に浸ることができます。
1357年再建の本堂、1700年再建の仁王門は、ともに国の重要文化財。特に本堂は7間ある大きな建物で、どっしりと腰の重そうな佇まいが印象的です。この日はたまたま本堂内が無料拝観でき、多くの参拝客が訪れていました。
時が磨き上げた、漆黒の三重塔。
他にも1764年再建の三重塔も見ごたえがあります。時が磨き上げた漆黒の塔は、境内の緑とコントラストを描いて屹立します。他に十王堂、護摩堂などの古堂にも趣きがあります。境内も美しく、本堂前にある枝垂れ桜は春の道成寺を艶やかに飾ります。訪ねたのは晩秋の入口。色づき始めた木々が、季節の移ろいをそっと教えてくれます。
本殿の重要文化財、千手観音像。
道成寺はまた、錚々たる仏像群を所蔵するお寺でもあります。宝物殿には20体以上の仏像が納められていて、そのうち千手観音立像、脇侍の日光・月光菩薩像の3体は国宝に指定されています。ほかに重要文化財を11点も収蔵。まさに文化財の宝庫です。
本堂に安置されるのも重要文化財の千手観音像。今にも動き出しそうな千手が、私たちをあらゆる局面で救ってくださるようです。さらにその背後には、背中合わせになるうに逆向きの千手観音像が安置されています。こちらは33年に一度だけ開帳される秘仏。次は2038年だそうです。
安珍と清姫の、悲恋物語の舞台。
本堂の右手前に、安珍塚と呼ばれる石碑があります。これは道成寺の大きな見どころのひとつ。能や歌舞伎の古典芸能でもよく知られる「道成寺もの」という題材、安珍と清姫の悲恋物語の舞台がまさにこのお寺なのです。若く美形の僧安珍に心奪われた清姫が、その想いのあまり大蛇となり、安珍を道成寺の鐘もろとも焼いて自らも入水自殺してしまうという怖いお話。その鐘楼跡には二代目の鐘が釣られましたが、戦乱の中京都の妙満寺に移されて以降、道成寺には鐘がありません。寺ではこの伝説を、住職が毎日「道成寺縁起」という絵巻の写本を広げて、「絵とき説法」で分かりやすく披露されています。
歴史があるからこその、道成寺の魅力。
ということで、1300年の歴史があるからこそ積み重ねられた道成寺の魅力。さらにいえば境内には「道成寺の七不思議」として7つの札が立てられています。それらはどれも興味が掻き立てられる内容。どこまでも学べるお寺です。
実は新西国三十三所の中では最も南に位置するお寺で都心からはやはり遠いですが、巡礼でなくとも訪ねてみる価値がある古刹でした。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 道成寺 |
---|---|
所在地 | 和歌山県日高郡日高川町鐘巻1738 |
問い合わせ先 | 0738-22-0543 | 道成寺 |
休業日 | - |
料金 | 境内自由(宝仏殿・縁起堂拝観は700円) |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | http://www.dojoji.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/道成寺 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121350-d1385156-Reviews-Dojoji_Temple-Hidakagawa_cho_Hidaka_gun_Wakayama_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202311 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。