久安寺
きゅうあんじ □大阪府池田市
幾多の魅力が重なり合う、花のお寺。
桜の日々が終わってすぐ、さっそく次のステージに向けて芽吹き始めた新緑がまぶしい季節。別名「花のお寺」とも呼ばれる久安寺では、次に主役を迎える草木が準備を始めています。どの緑も生まれたての瑞々しい表情をしているし、温かいと暑いのちょうど中間の、なんとも言えない心地よい日差しが緑の上で跳ねています。そんな豊かな緑景の中に、久安寺の諸堂は包まれるように佇んでいます。どこからどう見ても、心安らぐ美しい光景ばかりのお寺です。
流麗な形状が特徴、「最も美しい楼門」。
久安寺は池田市の象徴的な山である五月山の北西、能勢へ向かう街道沿いにあります。725年に行基によって開創されたと言われる古刹で、それは聖武天皇の勅願だったといいます。弘法大師空海もこの地に道場を構えたと伝わる、まさに堂々たる歴史を積み重ねてきたお寺です。
境内の一番南に久安寺の見どころのひとつ、重文の楼門があります。屋根の軒が反りかえる独特の形状で、水平の箇所がないとも言われます。昔から「最も美しい楼門」と称され、その流麗な美しさで親しまれてきました。楼門の周りには柵がありますが自分で開けて間際まで近づけますので、楼門の両側で睨みを効かせる仁王像もつぶさに見ることができます。
その爽やかな緑に、触れてみると。
楼門からは、アジサイに囲まれた参道が北に向かって伸びています。花が咲くのはまだ先ですが、艶やかな花を咲かせるための養分を集めるために、今まさに新葉を広げている季節。その爽やかな緑に触れてみると、赤ちゃんの肌のようにサラサラとした、また少しひんやりとした触感。新緑の葉の手触りが、私は好きなのです。
アジサイの道を抜けると左手に本坊、右手に円形の池があり、広場になっている正面に久安寺境内の拝観受付があります。ここから有料になりますが、その先に広がっている風景は本当に見ごたえのあるものでした。
豊かな森の中に、包み込まれた堂宇。
久安寺境内は基本的に全体が豊かな森の中にあります。季節によって様々な表情を見せる境内。この日は新緑の季節とあって、緑色のフィルターを通して見るような景色に、古めかしい堂宇が埋もれています。秘仏である本尊の千手観音を安置する本堂からは、渡り廊下で三十三間堂、阿弥陀堂の内部を拝観できます。三十三間堂の内部には33mもの須弥壇があり、西国三十三所観音霊場のそれぞれの札所の本尊が並ぶ様子は壮観です。また阿弥陀堂は高床式の宝物殿であり、重要文化財の阿弥陀如来坐像などを安置しています。
境内の最も奥にある、仏塔と舎利殿涅槃堂。
他にも久安寺は見どころがたくさんあって、本堂の裏手の庭園や、境内の最も奥にある仏塔と舎利殿涅槃堂、かなり近代な建物である薬師堂など。また豊臣秀吉とゆかりがかるようで、秀吉が座ったという「腰掛石」や秀吉が植えたという「榧の老木」があります。
そんな中で気になったのは、渡り廊下の下をくぐってその奥にあるという「弥勒山めぐり」。大きな看板が印象的なんですが、調べると久安寺の隣にある弥勒山を登る回峰行コースがあるのだとか。道中には四国八十八ヶ所の各札所から取り寄せた砂が撒かれていて、ご利益もありそうです。
風流という言葉が似合う、四季を楽しむお寺。
また久安寺は「花のお寺」とも呼ばれ、約20,000坪もある広大な境内にはさまざまな花が咲き乱れます。春は牡丹・ツツジ、夏はアジサイ・シャクナゲ・睡蓮、秋は紅葉、冬は山茶花と、四季を通じて見ごたえのある花が楽しめます。特にアジサイと紅葉が有名。茶室などもあり、まさに風流という言葉が似合うお寺でした。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 久安寺 |
---|---|
所在地 | 大阪府池田市伏尾町697 |
問い合わせ先 | 072-752-1857 | 久安寺 |
休業日 | - |
料金 | 拝観料:300円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://kyuanji.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/久安寺_(池田市) |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023473-d1407172-Reviews-Kyuan_ji_Temple-Ikeda_Osaka_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202304 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。