屏風岩
びょうぶいわ □兵庫県川辺郡猪名川町
江戸時代に謳われた、「北摂第一の名勝地」。
関西屈指のニュータウン、川西市の北側にある猪名川町。戸建住宅が整然と並ぶ地域を北に抜けると、一変して緑豊富な山並みや田畑、またそこにある人々の営みはまさに里山の風景を創り出し、豊かな暮らしがあることを感じさせてくれる地域です。その町の真ん中を南北に、町名にもなっている猪名川が流れています。下流では水質の問題も抱える川ですが、この辺りではまさに清流。さまざまな自然が猪名川を中心に実り、命の源になっています。
エメラルドグリーンの淵に、聳え立つ岩壁。
屏風岩は、そんな猪名川沿いに突如として現れる奇岩です。川のカーブに合わせて高さ30m、幅100mに渡って聳え立つ岩壁です。垂直方向に幾つもの筋模様が見られ、その様子は文字通り屏風のよう。その上部には豊かな緑が生い茂り、また下部は猪名川の流れを受け止めています。ちょうど淵になった部分で、深さのある川の色はエメラルドグリーンのような色をしています。その上を一羽のクロサギが悠然として浮かんでいて、景色に風流な粋を添えています。
屏風岩は古くから景勝地として親しまれていました。江戸時代の『摂津名所図会』には「北摂第一の名勝地」として登場しています。河畔には明治時代に創業した料理旅館「岩屋館」がありましたが、コロナ禍の影響で閉業。訪問した時は新しくグランピング施設が建設中でした。
下流の滝と、渓流の趣きも秀逸。
南側に架かる橋の上からは、屏風岩のまた違った顔が見られます。屏風岩の下流側では滝があります。高さは1mほどしかないですが、川幅いっぱいに渡り、高さも均一なのでとても美しい景観です。さらに滝の下流側では変化に富んだ岩場で、渓流の趣きがあって美景。さらに春には桜が両岸に咲いて花を添えるという、まさに「北摂第一の名勝地」と謳われた絶景を見せてくれるのです。
何か特別なものが漂う、不思議な雰囲気。
実はこの道を車でよく通っていました。屏風岩は突然現れるし、特に目立つ標識や案内板もないし、さらに言うと駐車場もありません。うかうかしていると通り過ぎてしまいがちです。でも屏風岩のあたりに来ると何か特別なものが漂う、不思議な雰囲気があります。それは数百年に及ぶ名勝としての風格と存在感なのか。いや、それもあるのですが、この場所にはどこか寂寥の空気も漂っているからです。忘れ去られた昔のヒーローのような。岩屋館があった頃はその建物の陰にひっそりと隠れていたので、より一層見えない場所にあったのです。なので屏風岩を訪ねた時にはそんな奥ゆかしく控えめな部分も、じっくり感じるのがオススメです。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 屏風岩 |
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所在地 | 兵庫県川辺郡猪名川町北田原 |
問い合わせ先 | 072-766-8709 | 猪名川町産業観光課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | - |
wikipedia | - |
食べログ | - |
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