高砂神社

たかさごじんじゃ　□兵庫県高砂市

相生の松に纏わる、愛と平和に満ちた世界。

「高砂やこの浦舟に帆をあげて」の唄い出しで知られ、著名な能の演目である「高砂」の舞台となっている高砂神社。ひとつの根から雌株（アカマツ）雄株（クロマツ）が寄り添って生える相生の松で有名です。相生の松を象徴とした「高砂」、その愛と平和と祝意に満ちた世界。その風雅な歴史と合わせて、由緒や威厳を感じる境内や社殿も見ごたえがあります。高砂市の南部、そろそろ海の気配を感じそうな昔からの町並みの中に鎮座しています。

そろそろ海の気配を感じそうな昔からの町並みの中に鎮座している高砂神社。境内には立派な松林が育っている。

高砂神社の参道に建つ大きな石の鳥居。

「表門」は立派な造りの四脚門。

霊松殿に保存展示される、３代目の相生の松。

正面の表門をくぐると、高砂神社の特徴的な境内が広がります。全体的に背の高い木々が生い茂り、その多くは松の木です。樹高のある木々が作る影で、境内は夏でも涼しげな感覚があります。入口近くには高砂市の保存樹であるイブキの木があり、ご神木として大切にされています。有名な相生の松は本殿右手にあり、現在は5代目。また姫路藩主・本田忠政が植えたとされ国の天然記念物にも指定されていたものの、惜しくも枯死してしまった３代目の相生の松が、すぐ横の霊松殿で保存されています。外から見られるようになっているのですが、龍がうねるような豪快な枝振りは必見です。

「霊松殿」で保存されている3代目の「相生の松」。龍がうねるような豪快な枝振りは必見。

現在は5代目の「相生の松」が健在。

「霊松殿」の外観。

木漏れ日に照らされる、摂末社や石塔。

境内の中心に本殿と拝殿があり、それぞれ歴史的な風格を纏う建物です。能舞台も新旧ふたつの建物を有します。本殿の裏手には稲荷社、三社、住吉社が並び、また本殿左手の松林の中には和魂神社、琴平神社、猿田神社、粟嶋社などが並んでいます。また神馬のブロンズ像や石碑もその松林の中に点在しています。このあたりは高砂神社独特の雰囲気があって、木漏れ日に照らされる摂末社や石塔は風趣に満ちています。

境内の西側には多くの境内社が並んでいる。いずれも松林に包まれるように鎮座するのは、高砂神社ならではの光景。

左から「稲荷社」「三社」「住吉社」。

境内社で大物主命を祀る「琴平神社」。

高砂神社は、高砂城址でもある。

そんな松林の中に、立派な銅像が建っています。池田輝政像です。1605年、当時姫路城主だった池田輝政によって、この地にあった高砂神社を移動させ、代わりに高砂城を築城しました。でもその20年後には廃城になり、高砂神社は元の場所に戻されたそう。そんな経緯があったのは興味深いことですが、なら元の場所に戻すことを決めた本田忠政の像でよかったんじゃないかとか。しかし高砂城址の石碑も建っているから播磨の雄・池田輝政が相応しいかとか。色々思ってしまいましたが、とにかく高砂神社は高砂城址でもあるのです。

高砂神社と深い関わりのある池田輝政像。彼は一時はこの地に高砂城を建てたが、のちに本田忠政により神社が復興された。

全てが松林に包まれる境内。

拝殿では独特の空間に迎えられる。

夫婦円満や、良縁成就の神様として人気。

いにしえの時代から小倉百人一首や古今和歌集などに詠まれ、能の「高砂」のルーツでもある高砂神社。だから夫婦円満や良縁成就の神様として人気があります。それは現代だけではありません。激動の人生のうちに本田忠政の嫡男である本田忠刻の正室となった千姫も、この高砂神社に参拝していたといいます。この日も全体の数は少なかったですが、夫婦で参拝している方が目立ちました。愛と平和に満ちた世界は、これからもここにあります。

著名な能の演目である「高砂」の舞台となっている高砂神社。風流な趣きが境内を満たしている。

夏の空と緑の勢いが境内を包み込む。

切り株から新しい枝が芽生えていた。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	高砂神社
所在地	兵庫県高砂市高砂町東宮町190
問い合わせ先	079-442-0160 ｜高砂神社
休業日	-
料金	-
駐車場	無料駐車場
公式サイト	https://takasagojinja.takara-bune.net/
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/高砂神社
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022828-d8763694-Reviews-Takasago_Shrine-Takasago_Hyogo_Prefecture_Kinki.html
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