神戸商工貿易センタービル
こうべしょうこうぼうえきせんたーびる □兵庫県神戸市
栄光の過去を背負って、未来へ。
このページは観光のための紹介というよりも、かなり個人的な好みの方が大きいかもしれません。建築を専攻していたわけではないのですが、ここ10年くらい、明治から昭和時代に建てられた建物に興味が湧いて仕方がないのです。三宮の駅から南へ、海が近いあたりにある神戸商工貿易センタービルです。学生時代からそこにちょっと特徴のあるビルが建っているなと思っていて、あらためて近くで見たり、調べたりするととても興味深いビルだということに気付いたのです。
日本で2番目に出来た、超高層ビル。
神戸商工貿易センタービルは基本的にはオフィスビルです。でも神戸の中心街からは若干離れていますし、いわゆるオフィス街でもない場所にあります。なぜこの場所になったのかは分かりませんが、実は神戸商工貿易センタービル、竣工当時は東京の霞ヶ関ビルディングに次いで日本で2番目の高さがあるビルだったのです。神戸開港100年の記念事業として誕生したのは1969年、もう50年以上も前の話です。高さは107mの26階建て。竣工した時には100mを超える超高層ビルは日本で2棟しかなかったのです。昔から馴染みがあるビルでしたが特段気にもかけていなかったので、そんな勲章を持っていたなんて驚きでした。
震災を無傷で乗り越えた、柔構造。
神戸商工貿易センタービルは、柔構造の超高層ビルです。地震が来たら自らが柔らかく揺れて力を逃し、建物破壊を引き起こさない耐震構造です。1995年に阪神淡路大震災で罹災しましたが、周辺ビルが壊滅的な被害を出す中、また地盤の緩いエリアにも関わらず被害はほぼ皆無だったといいます。そのため震災直後には半壊した市役所の仮庁舎として、また救急・医療の拠点として重要な役割を果たしました。それも知らなかったので、ますますこのビルの凄さに感服します。
よく見れば、デザインも斬新。
外観もまた個性的なビルです。印象的な茶褐色で統一されていることに加えて、よく見れば形も斬新。ビルの4つの角にはバルコニーが設けられていて、斜めから見るとギザギザのシルエットになっています。またビルのエントランスも正面ではなく角にあたる部分にあり、それって実はあまり見かけない構造だったりします。なので内部の共用廊下も建物を斜めに走っています。共用部は適時更新されているため比較的新しい感じはしますが、やはり随所に昭和を感じる名残があり見ていてワクワクします。昔は最上階に展望台があったそうですが、今は貸会議室になっています。
素晴らしき、昭和テイストのホール建築。
もうひとつ紹介したいのが神戸サンボーホール。神戸商工貿易センタービルの脇を固めるように同じ敷地で隣り合っている多目的ホールです。これがまた昭和モダンとも言える素晴らしきデザインの建物。壁面のロゴもかなり良い味を出しています。親分の神戸商工貿易センタービルと同時期に竣工し、今も展示会や見本市でよく使われている現役バリバリのホールです。昔からプロレスの会場としても知られていて、訪ねた日も興行のポスターが貼られていました。外観は四方とも2階が宙に張り出した独特の形状。1階の軒下部分が斜めになっていたり、2階の壁面にはわざと構造体の鉄骨を見せたり、細かなデザインのこだわりが素晴らしいです。色も神戸商工貿易センタービルと呼応するもので、このブロックの統一感もたまらない魅力です。
「100年ビル」として、まだまだ続く。
というわけで神戸商工貿易センタービルと神戸サンボーホール、もう築50年を超えますがまだまだ現役です。しかも「100年ビル」をコンセプトに、これからも維持管理されていく予定。完成当初は神戸の未来をひとりで背負っていたほど注目を浴びた建物。今はちょっと落ち着いていますが、昭和の懐かしさを残す雰囲気をそのままに、未来へと進んでいきます。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 神戸商工貿易センタービル |
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所在地 | 兵庫県神戸市中央区浜辺通5丁目1-14 |
問い合わせ先 | 078-251-3141 | 神戸商工貿易センター |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | https://www.kobe-citc.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/神戸商工貿易センタービル |
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