宮水
みやみず □兵庫県西宮市
酒造り専用、名水百選の井戸水。
宮水は西宮市に湧く井戸水で、名水百選にも選定されている有名な湧水です。当然ながらさぞかし美味しい水なのかと思いますが、でも一般人はそれを飲むことが出来ません。なぜなら宮水は100%が酒造用の水として利用されるからです。灘五郷の酒造には欠かすことのできない水で、酒造りには向いているものの、実は飲用としてはあまり向かないという特質があるのです。そんなことを知ったのはつい最近ですが、普段からよく側を通っているのに気づかなかった「宮水発祥の地」を訪ねました。
各酒造メーカーが、それぞれに井戸を持つ。
国道43号線の南側、周辺は事業所や住宅が混在する地域ですが、宮水はこのうち約500m四方だけから取水されます。各酒造メーカーがそれぞれに井戸を持ち、宮水を取水しています。井戸はフェンスなどで厳重に守られていて、侵入者に対するセキュリティも強固にセットされています。なぜこのエリアだけに、そんな貴重な水が湧くのか。
宮水は六甲山の花崗岩で濾過され流れ出した、夙川からの伏流水がベースです。しかし海が近い分、そちらからの塩分も若干混じるようです。結果的に非常にミネラルの多い硬水となり、またリン含有量が多く、鉄分が少ないという特質があります。これが酒造りには最適な水質なのだそうです。普通日本酒は軟水で造られることが多いですが、「灘の男酒」と呼ばれ、キレのある酒が特徴である灘五郷の酒ができる理由になっています。
お世辞にも、自然豊かな環境ではない。
でも周辺地域は交通量が多い幹線道路や巨大な橋脚の高速道路、また阪神間を代表するような工業エリアでもあり、ほんとにそんな名水の質が保たれているのか正直不安になってきます。お世辞にも自然豊かな環境とは言い難いのです。しかし水質を維持する工夫や経緯は相当なもののようで、関係者の宮水に賭ける思いには感服します。周辺での工事には普通ではやらないような、徹底的な管理が行われているそうです。
ひっそりと建つ、宮水発祥之地碑。
井戸が並ぶエリアの中に垣根で囲われた場所があって、そこにひとつの記念碑が建っています。それには「宮水発祥之地」と彫られていて、すぐそばには「梅ノ木井戸」と呼ばれる井戸があります。普段は蓋がされているので直接見ることは出来ませんが、最初に宮水が発見された井戸とされています。本当なら一口でもいいから飲んでみたいものですが、それは諦めるしかなさそうです。代わりに灘五郷の日本酒をいただくことにしましょう。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 宮水 |
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所在地 | 兵庫県西宮市久保町3 |
問い合わせ先 | 078-841-1101 | 宮水保存調査会 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/宮水 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022819-d11443884-Reviews-Miyamizu_Hassho_no_Chi_Monument-Nishinomiya_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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