みっちゃん総本店・広島お好み焼き

広島のお好み焼き文化、その源流。

広島のソウルフード、お好み焼きの超有名店であるみっちゃん総本店。他地域のお好み焼きとは一味も二味も違う広島のお好み焼きを生み出した源流でもあり、歴史を作った名店です。昭和25年に中央通りに屋台として創業して以来、広島のお好み焼き文化を牽引してきたと言っても過言ではありません。久々に広島を訪ねた際、到着した日の最初の食事で一目散に向かいました。

一歩入れば、みっちゃんのお好み焼きワールド。

今回は八丁堀本店で。ビルの1Fに店を構えています。比較的簡素な外観ですが、一歩入ればみっちゃんのお好み焼きワールドが展開されています。まず香り。鉄板から立ち昇る香ばしい匂いとソースの香り。やはりお好み焼きはこの匂いも一緒にいただくものです。店内の一番奥に厨房があり、たくさんの焼き手が大きな鉄板の上で次々とお好み焼きを焼いています。分業制になっているようで、各々の役目をこだわりを持って果たしているようです。それによって焼き手によって味がブレない、均一な焼き上がりを実現しているそうです。

マヨネーズのキャップも、広島カープ。

注文したのは、イカとエビが入った「スペシャル」というメニュー。もちろん頼んでから焼きに入るので、少し時間がかかります。待つあいだ、店内をしげしげと観察。ほぼ満席で、お酒が入っている人も多めでかなり賑わっています。平日の昼間なのに。テーブルの上にはみっちゃんオリジナルソースがあります。お土産品としても大人気なのだそう。またマヨネーズのキャップが広島カープを思わせる赤ヘルなのも面白いです。

キャベツの甘味が、かなり印象的。

そうこうしているうちにお好み焼きが到着。思った以上に大きくて、実際食べてみてもかなりボリュームがあります。キャベツの甘味がかなり印象的です。みずみずしくて、生地とソースと相まって旨味が倍増します。生麺を茹でてから焼くそばがまた美味しく、パリパリの食感と少し焦げのある香ばしさがたまりません。ボリュームはありますが食べていても重くはなく、「みっちゃん」こと初代井畝満夫が目指していたという「毎日でも食べられる、あっさりと飽きのこないお好み焼」が見事に受け継がれている印象です。中からどんどん出てくるイカとエビもいい味を出しています。ビールと一緒に、といきたいところでしたが、この後に商談が控えていたので今回は我慢。でも絶対に合います。

こだわりと技、そして歴史が融合して完成する。

みっちゃんの歴史やこだわりを挙げればキリがありません。この店で生まれたもの。ドロっとしたお好みソース。キャベツともやしの組み合わせ。そばを入れること。鉄板から直接、木の柄がついたヘラで食べること。まさに、広島お好み焼きの元祖なのです。味にもこだわりがたくさん。複数人の焼き手による分業はもちろん、キャベツの切り方の極意や、余計なものを加えない小麦粉と水だけのシンプルな生地、改良を重ねて到達した珠玉のオリジナルソース。そして何よりこの店の伝統として受け継がれてきた、焼き手の職人技。全てのこだわりと技、そして歴史が融合して完成するのがみっちゃんのお好み焼きなのです。
原爆により焼け野原になった、広島の復興とともに歩んできたみっちゃんの歴史。現在は二代目の井畝満夫が伝統の味を受け継いでいます。今では広島市内に数店舗、さらに東京にも進出し、これからも広島お好み焼き界を引っ張っていく名店です。

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