天柱岩

天を突き上げる、緑豊かな岩塊。

和歌山県南部の清流・古座川の名所である一枚岩に向かっていた時に、たまたま道路沿いに現れた巨大な岩山。なだらかな山並みの中から、ひときわ高く飛び出したその岩。空を突き上げるように屹立する様子から、天柱岩と呼ばれている奇岩です。高さは約200m。別名・薬研岩（やげんいわ）とも呼ぶそうです。垂直にそそり立つ巨大な岩は、自然の不思議さを感じさせます。
このあたりは地質学的にも非常に珍しい地域のようで、火山活動によって作られた古座川弧状岩脈と呼ばれる特殊な地形があちらこちらで見られます。一枚岩や虫喰岩がその代表的なスポットとして有名ですが、この天柱岩も一見の価値があります。

古座川と共演する、独特の風景。

国道371号線のすぐ横には古座川が流れており、その対岸に天柱岩を望みます。5月の新緑に包まれた山は、濃い緑、淡い緑、黄色に近い緑といった様々な緑色が混在して美しいものです。そこから突然異様なほどの大きな天柱岩が天に向かって突き上げています。よく見ると天柱岩そのものにも新緑が纏わりついていて、山々と一体となっていることも分かります。そう、いくら異様に目立っているからといって、この雄大な景色と決して異質なものではないのです。
ひとしきり眺めたあと車に戻り走り始めましたが、ほんの数十m行けばまた違った表情を天柱岩が見せました。だからもう一度車を降りて、またしばらく天柱岩を眺めることにしました。

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