湊川公園
みなとがわこうえん □兵庫県神戸市
奥が深すぎる、物語に溢れた都市公園。
普段から車でよく通るのですが、最初の頃はこの幹線道路のトンネルの上に広大な公園があるとは思いもよりませんでした。しかもその公園にはとても深い歴史と、興味深い特徴があろうとは。ーーーその公園は、湊川公園といいます。その成り立ちにも、過去にも、構造にも、内容にもちょっと普通ではない見どころを持つ公園です。車ではやや行きにくい公園なので、神戸に住みだして初めて神戸電鉄という私鉄に乗って、湊川駅に降り立ちました。
天上川を埋め立てた、線路と道路の上にある公園。
まず場所です。湊川公園は、神戸でも有数の歓楽街である新開地の隣街。新開地から続く雑多で、昭和の香りがムンムン漂う街にあります。昔は「東の浅草、西の新開地」とまで呼ばれた、生粋の遊興エリアです。飲屋街、映画、芝居、演芸、遊郭など、ありとあらゆる娯楽と欲望に渦巻いた街。その北の端にあるのが湊川公園です。
そんな街のすぐ脇を、南北に川が流れていました。当時から道路の上を流れる天上川でしたが、度重なる氾濫がいつも街を壊していました。その治水対策として川は流れを変えられることになります。街の地下に水専用のトンネルを掘り、その中に川を流してしまおうという壮大な計画。そして湊川隧道が1901年に完成すると、今まで川が流れていた場所を埋め立てて造られたのが今の湊川公園なのです。
かつての象徴「神戸タワー」に、思いを馳せて。
公園は幹線道路をまたぎ南北に長く、約2.3haの広さがあります。上から公園→道路→線路という層になっていて、道路面から見ると橋のようにも見えて少し不思議です。公園内にはこの地で生涯を閉じた楠木正成の立派な銅像があります。またそれなりに緑や花壇があり、人口的な建築の上にあることを忘れてしまいそうです。また「カリヨン時計塔」と呼ばれるモニュメントがあり、この由縁を知った時には驚きました。
なんでもこの場所には、かつて「神戸タワー」という壮大なタワーが聳えていたんだそうです。1922年に完成した神戸タワーは高さが90mもあり、昔の写真を見れば中世ヨーロッパのオベリスクを思わせる芸術的な外観もまた、想像をはるかに超える存在感のあるものだったのです。残念ながら老朽化のため1968年に取り壊されたようで、一度は見たかったなと当時の人たちを羨みました。
街のあちこちに、傷痕を残している。
訪ねた日はあまり時間がなくて、30分ほどの滞在でした。でもかなり奥が深いというか、湊川公園を含むこの街の隅々までをもう一度じっくり体験したいと思えます。かつて栄華を極めた繁華街、時代が流れすぎた今は当然のことながら街のあちこちに傷痕を残して衰退しています。一方、昔から文化の発信源であったこの街には、今でもその風土が脈々と受け継がれていたりします。公演会やライブ、コミュニティ活動も盛んだといいます。そんな渾然一体としたものがあるから、こういう街がとても惹かれるのです。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 湊川公園 |
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所在地 | 兵庫県神戸市兵庫区荒田町1丁目20 |
問い合わせ先 | 078-511-0515 | 中部建設事務所 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/湊川公園 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298562-d16672557-Reviews-Minatogawa_Park-Kobe_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202112 |
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