糺の森
ただすのもり □京都府京都市
神聖な雰囲気に満ちた、豊かな原生林。
この森に一歩踏み入れた瞬間に自分の中にすーっと染み込んできたのは、限りなく穏やかで、厳かで、神聖な空気。それは空気というよりも、一種の「存在」のようなものでした。一瞬にして体が、いや、自分の存在が清らかに洗われるように感じ、安心感に満ちてしまった私はもう全てをこの森に委ねてしまいたいと思ったのです。それは特別な体験でした。
梅雨の晴れ間に訪れた糺の森は、競うように生まれては育つ若葉に満たされています。木々が頭上を覆い空を隠しても、鮮やかな緑彩を透けて通った光が森を明るく照らします。しっとりとした風に揺らされるごとに、降り注ぐ光も形を変えています。小鳥のさえずりも近くから聞こえるものと遠くから聞こえるものが重なり合い、立体的な音として感じ取れます。
眩いほどの新緑に包まれた糺の森。限りなく穏やかで、厳かで、神聖な空気。
糺の森は世界遺産「下鴨神社」の社叢。
森そのものが史跡に指定されている。
人間と自然の相応しい在り方が、体現されている。
このような感覚は今までで初めてかもしれない。この森はよくパワースポットとか癒しの森と言われるのですが、実際に訪れてみるとそれ以上のものを感じずにはいられません。言葉では上手く表現できない質のものが、体じゅうを満たしていくようです。究極のリラックスは、日本人が過去何百年ものあいだ大切に守ってきた、この森からの恩返しなのかもしれません。そう、糺の森には感謝という言葉が似合います。人間と自然の相応しい在り方が体現されていて、そこには拝謝の念が介在しているような。
落葉樹を中心に約4,700本の樹木が暮らし、広さは124,000㎡もある。
車止めも鳥居の形をしたものが置かれている。
「御蔭通」より北側が特に鬱蒼としている。
あらゆる森の風景が、詰め込まれている。
前置きは長くなりましたが、糺の森は言わずもがな下鴨神社の境内に広がる深い森です。賀茂川と高野川が合流する場所で、両側を清流に囲まれて育った美しき原生林。落葉樹を中心に約4,700本の樹木が暮らし、広さは124,000㎡もあります。樹齢が200年以上の木だけでも600本以上もあるといい、森は背が高く、そして様々に入り組んだ枝ぶりが印象的。老木にしか出せない豊かな表情が、独自の景観を作り上げています。森の中には4つの小川が流れて、樹々の根元を潤しています。せせらぎの音を聴くのは、水際の植物たち。この原生林には本当にあらゆる森の風景が詰め込まれています。
森の中には4つの小川が流れて、樹々の根元を潤している。
糺の森の参道にはいくつかの境内社もある。
木漏れ日が清々しい森の小径。
森の小川には美しく澄んだ水が流れる。
どこまでも、平穏な森が続いている。
京の四季が、糺の森を美しく仕立てる。
さらに糺の森を美しく仕立てるのが、京都の四季。今日のように青葉が眩しい緑の世界、晩秋には色鮮やかな紅葉の世界、冬に葉を落とした森は陽光受けて明るい世界になります。そして春を迎えて咲くたくさんの桜花。もちろん季節ごとに順番に咲いてゆく様々な美しき花々。
5月には葵祭の舞台となり、また森のいたるところに小さな社殿が点在し、歴史と文化の香りも漂います。世界遺産でもあり、森林として国の史跡にも指定されているという折り紙付きの名所。しかしそんな肩書をもってしても語り切れない至上の魅力が、糺の森には満ちていました。
糺の森を美しく仕立てるのが、京都の四季。晩秋には色鮮やかな紅葉の世界が広がる。
森の中に鎮座する「雑太社」はラグビーの聖地。
糺の森の馬場に祀られている「二十二所社」。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 糺の森 |
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所在地 | 京都府京都市左京区下鴨泉川町59 |
問い合わせ先 | 075-781-0010 | 賀茂御祖神社 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | https://tadasunomori.or.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/糺の森 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d8150470-Reviews-Tadasu_No_Mori_Grove-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202006 |
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