正善・和歌山ラーメン

王道を行く、正統派の豚骨醤油系。

和歌山では特に地元人から絶大な人気を博しているラーメン店、正善。市街地からは車でしばらく走った郊外にあるのですが、行列ができる有名店です。
店の間口はとても小さく、ひとつの建物に何店舗かが身を寄せ合うようにして並ぶ中の一軒です。赤提灯と赤のれん、そこには中華そばと書かれ、最も中華料理店らしい店構えです。のれんをくぐれば、すぐ目に飛び込んでくるたくさんのサイン色紙。よく見れば安倍元首相のものまであり、多くの有名人をも虜にしているようです。
それともうひとつ、入ってすぐに感じる濃厚な豚骨スープの匂い。人によっては獣臭いと感じるかもしれないくらい、しかしその香りからは実直にラーメンと向き合う店主の気概のようなものも、既に感じられるのです。

特に地元人から絶大な人気を博しているラーメン店。赤提灯と赤のれんが目印。（移転前）

井出商店から受け継ぐ、こだわりと気概のラーメン。

正善はかの有名な和歌山ラーメンの伝説、井出商店から独立されたオーナーが営まれています。その至宝の味を受け継ぎ、チャーシュー、メンマまで手作りするこだわり。「特中華」とメニューにある、チャーシューたっぷりのラーメンを注文しました。
正善は和歌山ラーメンの王道を行く正統派の豚骨醤油系。イメージそのままの茶濁色のスープに、チャーシュー・かまぼこ・ネギ・メンマというオーソドックスなスタイル。ストレートの細麺がスープの中で出番を待っています。

和歌山ラーメンの伝説、井出商店から独立されたオーナーが営む。いわゆる「井出系」の代表的存在。

豚骨由来の、深いコクが印象的。

自慢のスープは見た目よりもアッサリしていますが、口に入れてほどなく顔を出す豚骨由来の深いコクが印象的です。甘みを忍ばせた旨味が、じわじわと押し寄せてくる感じ。絡めとる麺は歯応えは残しつつもフワッと柔らかく、スープとの相性が抜群です。自家製のチャーシューがまたすごく家庭的な印象で、ギットリとしていたり、パサパサとしているわけでもなく、何枚でも食べられそうなシンプルで飽きのこない出来なのです。
和歌山では常識である早すし・巻きすし・茹で玉子は当然のことながら完備。そして和歌山では、特に正統派和歌山ラーメン店では昼の部と夜の部に分けて営業するスタイルが多い中、正善はありがたい昼夜通し営業。実は高速のインターからも近くアクセスしやすいので、これからもふと立ち寄ってしまいそうな名店です。

王道を行く正統派の豚骨醤油。豚骨由来の深いコクと、甘みを忍ばせた旨味がじわじわと押し寄せてくる。

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